《鶴岡慎也のツルのひと声》道産子バッテリーが価値ある仕事 清宮のスター性を再認識
■パ・リーグ2回戦 楽天3ー4日本ハム(4月1日、エスコンフィールド北海道)
嫌でも緊張感が高まる究極の場面 玉井がチームを救う投球
記念すべき新球場初勝利。道産子バッテリーが価値ある仕事をしてくれた。
八回、楽天の辰巳に同点2ランを浴び、なおも2死一、三塁のピンチでマウンドに上がった玉井。強打者の浅村を見事に空振り三振に切って取った。
流れは完全に、試合を振り出しに戻した楽天へ傾いていた。しかもシーズン初登板。嫌でも緊張感が高まる究極の場面で、チームを救う投球を披露した。ここで追加点を与えなかったことが十回のサヨナラ勝利を生んだ。
伏見の豊富な経験はチームの大きな武器 冴えた冷静なリード
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
そしてリードした捕手の伏見。シュートのイメージが強い玉井ではあるが、外角のカットボールで追い込み、最後も外の直球。浅村のアウトコースへの反応を見逃さず、そこで攻めた。
メネズの被弾で動揺もあったはず。それでも冷静に玉井の特長と相手打者の反応をリードに反映させた。彼の豊富な経験は今後もチームの大きな武器になる。
打者はヒット1本で変わる 野村は完全に復調した
若きクリーンアップにも触れないわけにはいかない。まずは野村。オープン戦で調子を落とし、開幕戦での内容も良くなかった。この日の第1打席も難しいボールに手を出し凡打していた。それでも六回に同点タイムリー。追い込まれたことで逆方向へコンパクトに―という意識が生まれたのだろう。確実に仕留めた。打者はヒット1本で変わる。その言葉通り、十回は右中間へ野村らしい鋭い打球。完全に復調した。
清宮のサヨナラ打 チームバッティングという意識が呼び込んだ
最後にサヨナラ打の清宮。彼の持つスター性を再認識した。七回の投手強襲タイムリーで気持ち良く打席に入ることができていた。状況は無死二塁。最低でも走者を三塁へ、振り回さずにチームバッティングという2つの意識が殊勲打を呼び込んだ。
この2人の活躍は欠かせない。この日のように2人が打てば、勝利の確率は当然、上がる。勝敗を背負うプレッシャーはあるだろう。一回りも二回りも、まだまだ大きく飛躍してほしい。