やはり持ってる清宮! 新球場&今季初勝利をたぐり寄せるサヨナラ打
■パ・リーグ2回戦 楽天3ー4日本ハム(4月1日、エスコンフィールド北海道)
3万人を超えるファンも大熱狂 延長十回無死二塁で殊勲打
新時代の主役が記念の白星をたぐり寄せた。日本ハムの清宮幸太郎内野手(23)が1日、エスコンフィールド北海道で行われた楽天戦に「5番・一塁」で先発出場。3ー3で迎えた延長十回無死二塁の好機でサヨナラ打を放った。新球場初勝利を決める劇打を振り返り、お立ち台では「きょうのサヨナラヒットで最高に特別な場所になりました」と満面の笑み。3万人を超えるファンが千両役者の活躍に酔いしれた。
勝負の際。この日一番の歓声が巻き起こる中で、思考は至って冷静だった。「ノーアウト2塁。バットが遅れて出てくることが多いので、レフト側に変なフライだけはやめようと思っていた。変化球を頭に入れながら、高めにしっかり目付をして(打席に)入れました」。狙い通りに落ちるボールを右前へ運び、息詰まるシーソーゲームにけりをつけた。
ファンに届けた感謝の思い 開幕戦の悔しさを払拭
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一塁ベースを回ると、仲間の元へ駆け寄り、手荒い祝福を受けた。勝利直後の一丁締めでは、観衆へ向けて「皆さん、熱い声援ありがとうございます。サヨナラ勝利という形で初勝利を飾れて本当にうれしいです。皆さんのおかげです!」と熱く叫んだ。プロ入り後初のサヨナラ打には、過去にない特別な思いが詰まっていた。
新球場の門出となった30日の試合は惜敗。華々しい幕開けを勝利で飾れず、悔しさを胸に募らせた。「(開幕カードの)3日間は満員と聞いて、本当にたくさんの人に勝ちを見せたいって思っていた。戦ってるみんなも勝ちにいってるので、その気持ちが最後、僕に乗り移った。こんな日に打てるなんて本当にラッキーっすね」。おいしい場面が巡ってくるのは強運の証し。スラッガーを宿命付けられた男は、ここ一番で輝いた。
指揮官からの賛辞はまたもお預け すべては期待の裏返し
清宮の潜在能力を誰よりも認めるから、新庄監督はこの日もあえて称賛を避けた。「1年間褒めることはないかな。褒めたらまた、ぶくぶくぶくぶく太りそう(笑)。何をしでかしてくれるかっていう方。本当にかわいい子」。シーズンはまだ始まったばかり。お褒めの言葉を授かる日まで、若き大砲は快音を響かせる。