若き4番・野村がマルチ安打 不振脱却で清宮のサヨナラ打を演出
■パ・リーグ2回戦 楽天3ー4日本ハム(4月1日、エスコンフィールド北海道)
「4番・三塁」の指定席でスタメン出場 同点打にチャンスメーク
日本ハムの野村佑希内野手(22)が1日、エスコンフィールド北海道で行われた楽天戦で2安打を放ち、新球場初勝利に貢献した。六回に右前へ同点打を放ち今季初安打をマーク。先頭で迎えた延長十回には右中間への二塁打で好機を演出し、清宮幸太郎内野手(23)のサヨナラ打をお膳立てした。
〝キヨノム〟コンビの躍動が勝利に直結した。若き4番の一振りが記念すべき1勝への突破口を切り開いた。「追い込まれていたので、最低限キヨさんにつなげば何とかなると思っていた。とにかく塁に出ようと思って打席に立った」と思惑通りにチャンスメーク。代走を送られベンチへ下がった直後に「本当に頼りになる先輩」と慕う5番・清宮の劇的な一打が待っていた。
オープン戦で打率・154 救われ発奮した首脳陣からの言葉
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
力強く、広角へ飛ばす。野村本来の打球が戻って来た。開幕前のオープン戦は打率1割台と苦しみ続けたが、ペナントレース突入と同時に状態を上げてきた。「ちょっと打球方向が引っ張り気味になっていたけど、開幕戦ぐらいから感覚が良くなってきた」と一時期の不振から脱却した。
悩めるスラッガーを救ったのは、首脳陣からの厚い信頼と温かな言葉だった。新庄監督はキャンプ初日の紅白戦から野村を4番で起用し、スランプに陥ってからも「おまえしかいない。4番は任せたから」と声をかけ続けた。飯山コーチは「4番・三塁を任されたなら責任を全うすることが先じゃないか? 不安がらず、結果が出なくても堂々としよう。もう、やることはやってきたんだから」と勇気づけた。
野村は「ボスが4番と言ってくれましたし、飯山コーチにも気持ちの部分の話をしてもらった。『切り替えていくしかない』と開幕戦を迎えて、きょうの試合も気持ち的に良い状態で臨めた」と数々の心遣いに感謝した。新球場初の4番を担う男は、ファイターズの歴史を紡いできたOBたちの期待を背負って打席に向かっている。
開幕から2戦連続の打点 着実に歩む不動の4番への道
開幕戦は犠飛で打点を挙げ、2戦目にはマルチ安打をマーク。プロ5年目の若武者は打線の中心に座り、着実に結果を残している。「1本目はすごく大事。高校時代から監督に0から1を生み出すのが一番大変と言われてきた。そこはプロに入ってからも大事にしている。その1本目がきょうはタイムリーという形になったので、なお良かったかな」。不動の4番と呼ばれるまで、安打と信頼を積み上げる。