ドラ2ルーキー金村 スケール感たっぷりのプロ初登板 6回2安打1失点
■パ・リーグ3回戦 楽天2-1日本ハム(4月2日、エスコンフィールド北海道)
デビュー戦で強心臓ぶりを発揮 最速150キロの直球と多彩な変化球で的を絞らせず
初勝利はお預けとなったが、鮮烈デビューを飾った。日本ハムのドラフト2位・金村尚真(22)=富士大=が楽天戦に先発し、6回2安打1失点と好投。強心臓ぶりを発揮し、本拠地に集まった3万775人のファンを魅了した。
同学年の野村は、金村のことを「のほほんとしてマイペース。自分の世界を持っている」という。ほんわかムードが漂うルーキーだが、ひとたびマウンドに立てば表情は一変する。
最速150キロをマークした直球と多彩な変化球で、相手打者に的を絞らせなかった。0ー0の三回2死から四球を出し、辰己に先制の中越え適時二塁打を献上。「チームが勝利することが先発の役割」と悔しさをにじませたが、堂々たるピッチングを披露した。
六回、ドラ1の同期・矢沢のスーパーキャッチに「自分も負けられない」
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同期の好守にも助けられた。六回には2死からフランコの右中間へ抜けそうな当たりを、右翼手のドラフト1位・矢沢(日体大)がスーパーキャッチ。「矢沢に守備では期待していなかったですけど」とニヤリとしつつ、「2人スタメンで出て、やっぱりあいつもすごいですし、自分も負けられないなという思いになった」と感謝した。
前夜は緊張して眠れないことを心配していたが、「一回起きたら絶対にダメだと思って、ずっと目をつぶっていました。気がついたら朝でした」とケロリ。一生に一度のデビュー戦にも「きょう打たれても死ぬわけじゃない」と肝が据わっていた。
加藤投手コーチ絶賛「最高のデビュー。本当に言うことがない」 ローテ入りも明言
試合後、加藤投手コーチは「最高のデビュー。本当に言うことがない」と絶賛し、先発ローテーションの一角として起用することを明言。次回登板は予定通りなら中6日で9日のオリックス戦(京セラドーム)となりそうだ。
くしくも、この日は同名の楽天・藤平尚真との投げ合い。名前の由来は故郷・沖縄の琉球王朝「尚真王」からきており、「親がでかくなってほしいと思って名付けたらしいんですけど、結構、重荷になっています」。照れ笑いを浮かべた右腕だったが、その名にふさわしいスケール感たっぷりのプロ初登板だった。