伊藤の連載手記「大海の部屋」では、ＷＢＣの裏話をお届けした。世界一に貢献した道産子右腕が、決勝・アメリカ戦の〝継投秘話〟も明かしてくれた。

　自身は試合前に「六回に投げるから、それに合わせておいて」と伝えられていたという。予定通り六回から登板し、３者凡退斬り。「ゲーム展開によって、僕より後ろは２パターンあった。実際にやったパターンと、ダルさんと大谷さんが投げないパターンとあった」そうだ。

　リードする展開となり、七回は大勢（巨人）、八回、九回はダルビッシュ（パドレス）→大谷（エンゼルス）のメジャリーガーによるリレーが実現。ベンチで見ていた伊藤は「誰もが納得ですし、そうあるべきだと思っていた。あの雰囲気はすごかった」と振り返る。さまざまな条件が重なって生まれた〝夢の継投〟だったようだ。