江越 執念ヘッスラで4年ぶり安打 骨折の右手首は「まだ完全には治り切ってない」
■パ・リーグ2回戦 日本ハム1-2ロッテ(4月5日、ZOZOマリンスタジアム)
1点ビハインドの八回に遊撃内野安打 2019年4月23日のDeNA戦以来のH
日本ハムの江越大賀外野手(30)が5日、4年ぶりの安打を放った。ZOZOマリンで行われたロッテ戦に「9番・右翼」で今季初先発し、1点を追う八回の第3打席で遊撃への内野安打をマーク。際どいタイミングだったが、「どうしても出塁したい」と渾身のヘッドスライディングで「H」ランプをともした。
阪神に在籍していた2019年4月23日のDeNA戦以来となる一打。これが日本ハム加入後初安打で、記念のボールももらった。「いつか出るなと思っていた。でも、チームのために良い結果を出して、とにかく勝ちたいなと思っていたので、そこはちょっと悔しいです」。試合には1ー2で敗れ、うれしさと悔しさが入り交じった。
アクシデントにも負けず1軍帯同 今季チーム5戦目で初スタメン
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苦難を乗り越え、ようやくたどり着いた一本だ。阪神時代は代走や守備固めでの起用が多く、昨季はわずか5打席しか立てなかった。トレードで移籍後は新庄監督から何度もマンツーマンで打撃指導を受けるなど、大きな期待を寄せられてきたが、3月1日の練習で右手首に死球を受け骨折。通常は即離脱につながる大けがだった。
それでも、江越は諦めなかった。直訴して1軍チームに帯同し、翌2日の紅白戦で満塁弾を叩き込むなど猛アピール。その後も患部には激痛があったが、痛み止めを飲みながらオープン戦への出場を続けた。
新庄監督も期待 「グラウンドを駆け回ってほしいですね」
不屈の精神で勝ち取った開幕1軍。負傷から1カ月以上たった今も「ピークよりは良くなったと思うんですけど、まだ完全には治り切ってない」と万全ではない。痛みに強い理由は、ただ一つだ。「試合に出たいという気持ちだけ。特に『おれ痛みに強いな』って感じたことはないです」。ベンチを温める日々で生まれた試合への渇望が、折れない心の原動力になっている。
この日は3打数1安打。新庄監督は「もうこれからどんどんヒット、ツーベースで(塁に)出て、グラウンドを駆け回ってほしいですね」と今後のさらなる活躍を望んだ。万波、今川、矢沢ら右翼のレギュラーを狙うライバルは多いが、負ける気はない。新天地での逆襲は、まだ始まったばかりだ。