伊藤 WBC帰りの今季初登板で好投 先発し5回3安打無失点
■パ・リーグ2回戦 日本ハム1-2ロッテ(4月5日、ZOZOマリンスタジアム)
ルーティン果たせず調子イマイチ それでも先発の役割全う
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に貢献した日本ハムの伊藤大海投手(25)が5日、ロッテ戦(ZOZOマリン)に先発し、5回3安打無失点と好投。WBCでは中継ぎとしてフル回転した道産子右腕が、今季初登板で先発投手の仕事をしっかり果たした。
プロ3年目のスタート。強心臓が武器の伊藤が、珍しく緊張していた。登板前のルーティンである関西風うどんは、ウーバーイーツのメニューになかったため食べられず。「力みがあった」と本調子ではなかったものの、無失点と踏ん張った。
志願のマウンドで本領発揮 ラスト五回は圧巻の3者凡退
80球メドと球数の制限が設けられ、四回で79球に達していた。ベンチで建山投手コーチから「どうする?行くか?」と尋ねられると「行っていいですか」と即答。志願して上がった五回のマウンドは、らしさ全開だった。
2死から角中への初球で、趣味の釣り用語をモチーフに「サミングボール」と命名した超スローカーブを披露。ボール判定だったが、大きく弧を描く計測不能の〝魔球〟で球場を沸かせた。
「サミングボール」は今季も健在 WBCでは海外選手に敬意を払い封印
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昨季もオールスターなど、ここぞの場面で投じてきた。この日は自身のシーズン初登板ということもあり「本当はプレーボールの初球でいこうと思ったが、怖いなと思ってやめました」と苦笑い。試合序盤から繰り出すチャンスを探っていた。
今年は春季キャンプから、ブルペン投球で「サミングボール」を試投。WBCでは〝秘密兵器〟として投入する計画を温めていたが、封印した理由があった。「日本では認められている傾向にあるけれど、侮辱行為にならないかなと。海外の選手に最大限の敬意というか、迷いがあったのでやめました」。満を持して、今季初解禁した。
あこがれのダルの投球にも刺激 同日先発でともに5イニング
くしくもこの日、崇拝するダルビッシュ(パドレス)も今シーズン初登板だった。試合が早朝だったこともあり、リアルタイム観戦はできなかったが、ハイライトでチェック。「相手が相手ですけど、同じようなピッチングだった。5回、91球、四球が4つ、盗塁2個」とうれしそうに笑った。
オフには合同自主トレを行い、WBCから帰国後には「お互いけがなく頑張りましょう。また、いろいろ聞かせてください」と連絡。メジャーリーグの試合を見る機会は以前より増え、「もともと好きだったのですが、一緒に戦ったというか、ご一緒させていただいたので気になる」と大きな刺激をもらっている。
次回の登板予定は12日のソフトバンク戦 「少しでも長いイニングを」
次回登板は中6日で12日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)を予定。「もう少し力みなく、バランス良く。もう球数の制限がなくなると思うので、少しでも長いイニングを投げたいです」。次はどんなピッチングを見せてくれるのかー。今年も伊藤大海から目が離せない。