コンサドーレ
2023/04/16 18:00

《元赤黒戦士の現在地・飲食店を経営する三原廣樹さん後編》かつて小野伸二にインパクト与えた直接FK弾は「蹴る前から入るのが分かった」

福岡で飲食店を経営する三原さん。かつては左足の技巧派選手だった(撮影・工藤友揮)

同期入団の砂川コーチ、プライベートでつながりのあった小野とは今でも親交

 三原廣樹さん(44)さんが北海道コンサドーレ札幌を退団してもう20年近くになるが、今でも連絡を取っている札幌関係者として砂川誠コーチ(45)とMF小野伸二(43)の名前を挙げる。(以下、敬称略)

 砂川コーチとは共に03年に札幌へ加入し、在籍当時には一番仲が良かった。しかし、同じチームでプレーしたことがない小野とは、意外なところでつながっていた。「伸二の弟が一時期札幌にいて、その関係で沖縄で会ったのが最初。たまたま僕のことを覚えてくれていて、FKだけ覚えてます」と言われたのだという。

小野が浦和の主将時代に対戦し、直接FK弾決めて鮮烈な印象を与えた

 そのFKとは、三原が鳥栖に在籍していた2000年7月9日のJ2第23節浦和戦で、当時浦和のキャプテンを務めていた小野の目の前で前半12分に決めた鮮烈な直接FKのことだ。ゴール正面約30メートルの位置から左足で放たれたボールは、鋭く曲がってポストに当たりながらもゴールマウスへと吸い込まれた。

 このゴールで先制した鳥栖は2-0で浦和に勝利。浦和にとって、当時J2首位を走っていた札幌との勝ち点を7差に広げられる痛い敗戦だった。「その時のことを覚えていると言っていて、『それだけ覚えてます』みたいな。笑い話ですけどね」。三原の左足キックは文字通り〝名刺代わりのFK〟となっていたということだ。

鳥栖時代3度決めたFK弾は極限集中でゾーンに入り、蹴る前からゴール確信

 この年は6月に名古屋から鳥栖へ期限付き移籍。鳥栖では5得点をマークしたが、そのうち3得点は直接FKによるゴール。「鳥栖の時は(FKが)入る気しかしなくて不思議でした。あの時の感覚は、たぶん一生無いかもという感覚でした。蹴る前から入るのが分かって、『これは決まる』というのが何回かあって。決まった3つのFKは分かって蹴っている感じでした」。極限の集中力から、蹴った後の結果までもはっきりとイメージしていたという。

 元々高校生の時からたくさん練習してきたFK。高卒ルーキーとして加入した名古屋では出場機会に恵まれなかったが、〝ピクシー〟ことFWストイコビッチ(58、現セルビア代表監督)やFWウェズレイ(50)といった名キッカーがFK練習をしている中で一緒に参加し、蹴り方も教わっていたという。そうして磨かれた左足を携え、03年には札幌へ完全移籍加入した。

名古屋時代に指導を受けていたジョアン・カルロス監督との因縁

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