新庄監督 打線組み替え成功 1番・矢沢マルチ&5番・万波猛打賞 逆襲開始
■パ・リーグ2回戦 日本ハム6-2オリックス(4月8日、京セラドーム大阪)
「左右左右」の新打線が奏功し連敗ストップ 10安打で今季最多6得点
シーズン開幕から8試合目で、奥の手を繰り出した。日本ハムの新庄剛志監督(51)が8日、京セラドームで行われたオリックス戦でオーダーを組み替えた。上位から中軸にかけてテコ入れした新打線は機能し、10安打で今季最多6得点。連敗を「5」で止めた。
苦心の策がはまり、トンネルを脱出した。試合後、報道陣に歩み寄った指揮官は「やった! 以上(笑)」とおどけてみせた後に「気分転換というか、ちょっと左右左右みたいな打順で組んでみようと思って。万波君の調子が上がってきているので(5番に入ると)走者がたまったところで回ってくる。良かったですね」と表情を緩めた。
トライアウトと位置づけた昨季は日替わり打線で臨んだ。今季はテストの合格者を中心にメンバーを固定し、戦っていく方針を打ち出していた。しかし、開幕から打線は低迷。突破口を見いだせないでいた。この日は、上位、中軸の並びを変更。1番にドラ1ルーキーの矢沢を抜てき。3番が基本だった松本剛を2番に配置し、5番で固定していた清宮を3番、スタメンと控えが半々だった万波を5番に入れた。
「勢いづかせてくれる選手」矢沢が一回先頭でいきなり右翼線二塁打を放って先制に成功
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
カンフル剤の効果は、いきなり表れた。矢沢が一回、右翼線二塁打で出塁し、俊足を生かして内野ゴロ二つで生還。先制点をもたらした。七回にも右前打を放ち、プロ入り初のマルチ安打を記録。「1番は1打席目が1番大事だと思っている。ボールを見て、ファウルを打って、最後に仕留める。僕の中では良い打席だったかな」と納得の表情だった。
清宮、野村の後に5番に入った万波は同点打含む3安打と大暴れ
5番の万波は、四回の同点適時二塁打を含む3安打の大暴れ。「良いアプローチが多かった」と好感触を口にした。特に、プロ入り当初から苦楽を共にしてきた清宮、野村との絆は強く「打順はあまり気にしていないですけど、あの2人と並べたことはすごいうれしい」と喜びをかみしめていた。
連敗中のうっぷんをようやく晴らした。新庄監督はプレーボール直後の先制のシーンをポイントに挙げ「初回の勢いづけるヒットは、みんなが乗っていける。そういう才能がある選手というか、勢いづかせてくれる選手ではありますね」と矢沢の働きを褒めた。
一つの形は見えた。ただ、今後も機能するか、不透明で「これから。この1勝はスタートということで」と手綱を締めた。開幕から10試合で1勝9敗だった昨季とは、モチベーションも目標も違う。我慢の時期を乗り越え、つかみ取った白星によって、逆襲の機運は一気に高まった。