札幌MF金子&DF田中駿 4年目同期コンビが制限明けで生まれた自分たちの応援チャントに発奮 C大阪戦で3得点し勝利に導く
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■J1第7節 C大阪2-3札幌(9日、大阪・ヨドコウ桜スタジアム)
北海道コンサドーレ札幌は敵地でセレッソ大阪と対戦し3-2で勝利した。札幌は前半6分にMF金子拓郎(25)のゴールで先制。同14分にPKで同点とされるが、直後の同15分に再び金子が決めた。後半16分にも同点とされたが、直後の同19分には左CKをDF田中駿汰(25)が頭で合わせて再度勝ち越しに成功。終盤は相手の反撃にも耐え抜き、3試合ぶりの勝利を手にした。通算成績は2勝3分2敗、勝ち点9で順位は9位に浮上した。
前半6分、15分に金子が左足ゴール 後半19分には田中駿が決勝ヘッド
2020年の加入以来、札幌の屋台骨を支えてきた大卒同期コンビがサポーターの歌声を力に変え、大阪の地で躍動した。まずは前半6分、MF浅野雄也(26)が左サイドを深くえぐり、相手ゴール付近までボールを持ち運ぶと、逆サイドへマイナスのクロス。それに反応した金子は左足ダイレクトできっちりとゴールへ流し込んだ。これでリーグ戦は5試合連続で先制だ。金子は「(浅野が)決めなきゃいけないというボールをくれたので、逆に緊張したけど、しっかりと決めきれた」と喜んだ。
同点とされた直後の同15分も金子だ。右サイドから左足クロスでゴールに向かうボールを送ると、FW金健熙(28)の動きに釣られた相手GKの左側をすり抜け、そのままゴールイン。「去年のC大阪戦でもアウェーで似たような形(金子のクロスにFW中島が頭で飛び込む)がありましたが、ああいうボールが相手にとって一番嫌だと思います。ゴールに向かうボールというのは常に意識して蹴っていきたい」。金子にとっては、21年6月19日の大分戦(札幌厚別、2〇0)以来約2年ぶりとなる1試合2ゴール。「チームに貢献することが一番ですし、自分のゴールが勝利につながったのはうれしい」と胸を張った。
リーグ戦5試合連続先制も直近2試合は結果出ず 田中駿が嫌な雰囲気を払拭
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後半16分にも同点ゴールを決められた。直近2戦はG大阪戦(2△2)、川崎戦(3●4)と先制しても勝ち切れなかっただけにチームに嫌な雰囲気が漂ったが、あっという間に払拭したのが地元・大阪で発奮した田中駿だ。
同19分にDF福森晃斗(30)が「相手に引っ掛からないように、速いスピードを意識した」という左CKのボールに、ニアサイドに飛び込んだ田中駿がヘッドで合わせてネットを揺らした。「アウトスイングで、ボールも良かった。少し入りすぎたという感じもあったけど、うまく頭をひねって。決まって良かった」。2月23日に入籍した妻も来場した一戦で、見事に勝利へ導く一撃を決めた。
試合前に2人の応援チャントが初披露され 金子「そしたら俺と駿汰が点を取った」
札幌サポーターからの〝プレゼント〟にゴールという最高の形で応えた。この試合から会場で歌われる金子と田中駿の応援チャントが誕生した。コロナ禍でルーキーイヤーから声援がない中で試合をしてきた2人にとって、待ちに待った個人チャントだ。
試合前練習時にそれぞれ披露され、金子が「シンプルにうれしい。初めて聞いたと思ったら自分の名前だったので、本当にうれしかった。駿汰もつくってもらって、そしたら俺と駿汰が点を取ったので、毎試合いっぱい歌ってほしい」と笑顔で話せば、田中駿も「うれしかった。最初、拓郎のが聞こえてきて『ついに!』って拓郎としゃべっていて。俺はまだかと思ったんですけど、(自分の曲もあり)うれしいです」と喜んだ。
先制しても勝ちきれず、モヤモヤの残る試合が続いた中で3試合ぶりにつかみ取った勝ち点3。金子は「負けが続いても、こうやってたくさんの方が応援しに来てくれてますし、絶対に勝利を届けたいという思いでやっていたので、非常にうれしいし、チームとしても悪い流れが断ち切れたということは本当に大きい」と勝利の味を噛み締めた。
田中駿「上に行くためには、3連勝、4連勝としていかないといけない」
次節も敵地で浦和戦(15日、埼玉スタジアム)。「上に行くためには、3連勝、4連勝としていかないといけないし、ここで一喜一憂していたらダメだと思うので、次の1週間の練習でも意識高く、やりたいことを共有してやっていけば結果はついてくる」と田中駿。金子も「次の試合が本当に大事になってくるので、サポーターの皆さんと一緒に戦って、全員で連勝したい」と一体感を強調した。
応援チャントを背に受けて結果を出した同期コンビ。田中駿は「ホームで大迫力のチャントが聞きたい」と待ちわびる。スタジアムで聞ける喜びを力に変え、今後も厳しい戦いに立ち向かっていく。