ヴォレアス悲願のV1昇格! 池田社長「やっとスタートラインに立った。ここがゴールじゃない」
■V・チャレンジマッチ ヴォレアス3―1大分三好(9日、茨城・ひたちなか市総合運動公園体育館)
3度目の挑戦で念願成就 20年にはコロナ禍で中止 抗議も「あんたたち2位ですよ」
2023年4月9日、午後3時47分。皆の思いが結実した。16年に誕生したヴォレアス北海道は、翌17年からVチャレンジリーグⅡに参戦。着実なステップアップを果たし、3度目の挑戦となった入れ替え戦で、ついにV1昇格を果たした。池田憲士郎社長(36)は「うれしい」と喜びを口にした。
何度も苦汁をなめてきた。初めてV1入れ替え出場を決めた20年、新型コロナの影響で中止となった。納得できなかったクラブは、池田社長を中心に、Vリーグ機構へ中止撤回を要請した。しかし、受け入れられず翌年もV2に所属することが決まった。降旗雄平GM(38)は「『2部の人が何言ってんだ』って言われましたし、今でもはっきり覚えているんですけど『あんたたち2位ですよ』って言われた。すごいメラメラ燃えていまして、見たかって思ってます」と結果で〝仕返し〟してみせた。
誰が出ても遜色のないチームへと変貌 池田社長「どんなことがあっても対応できた」
フロントと現場が一丸となって構築したチームは、誰が出ても遜色のないチームとなった。その証しに、9日のスタメンは今季一度もないメンバーの組み合わせ。特にミドルブロッカー陣の成長は大きかった。井上仁(31)は3月30日に腰を痛め、出場が危ぶまれたが、エド・クライン監督(41)は「とても良かった」と絶賛。サントリーサンバーズからレンタル移籍で加入した樫村大仁(24)も大きく飛躍。降旗GMは「ここまで化けるとは」と目を丸くした。そして「来シーズンもレンタルのオファーはします」と明言した。
観客席で昇格の喜びをサポーターと分かち合った池田社長は「控えの選手が、ピンチサーバーも含めて、しっかり戦える体制があったから、どんなことがあっても対応できた。去年までだと(主力の)代わりがいなくて、それで手打ちだった」とチームの成長を実感している。「目標は高い。やっとスタートラインに立った。ここがゴールじゃない」と、さらなる高みを目指していく。
◆入れ替え戦ルール 5セットマッチで2試合を戦い、勝利数が多いチームを勝者とする。1勝1敗の場合、ポイントの高いチーム、同ポイントの場合はセット率の高いチーム、同セット率の場合は得点率の高いチームを勝者とする。ポイントは3―0、3―1の勝利で3ポイント。3―2の勝利は2ポイント、相手に1ポイントが入る。セット率は総得セット数÷総失セット数、得点率は総得点÷総失点で算出する。全て同率の場合はV1チームが残留する。