ヴォレアスV1昇格の立役者 2日間で71得点の〝ビースト〟張&引退を懸けた佐々木主将
■V・チャレンジマッチ ヴォレアス3―1大分三好(9日、茨城・ひたちなか市総合運動公園体育館)
エースと主将が、間違いなくV1昇格の立役者だった。ヴォレアス北海道のオポジット・張育陞(チャン・ユーシェン、23)が両チーム最多の35得点をマークすると、先発した佐々木博秋主将(28)も大黒柱として、チームを鼓舞。エド・クライン監督(41)が大切にするバレーを楽しむことを誰よりも実践し、入れ替え戦で大きな存在感を示した。
2年連続MVPプレーヤーとしての貫禄を見せた張に相手監督も脱帽「V1レベルの選手」
重要な試合で〝ビースト〟と化した。8日に36得点を挙げながらも「まだMAXじゃない」との宣言していたように、さらに調子を上積みし、この大一番に臨んだ。サービスエースは脅威の7本。2年連続MVPプレーヤーとしての貫禄を示し「ついにこの目標を達成できて、とても嬉しかったです」と勝利を喜んだ。
2日にわたって躍動し、大分三好のポール・ムレイ監督(38)も「V1レベルの選手」と脱帽。来季はさらにレベルの高いところでの戦いとなる。当然、クラブは残留オファーを提示する。降旗雄平GM(38)は「V1に上がれたことで、(ヴォレアスで)やりたいと思ってくれる提案が明らかに多くなる」と、昇格が大きな追い風となる。張は「レベルはとても高くなる。レベルアップできるなら、それはいい成長になる」と意気込んだ。
佐々木主将「残留だったら、引退してしまおうと思っていた」
ヴォレアスで過去にも入れ替え戦を経験してきた佐々木主将は、ある覚悟を持って、この2連戦に臨んでいた。試合後の取材で「新しいヴォレアスにした方がいいんじゃないかなって感じていたので、(V2に)残留だったら、引退してしまおうかなと思っていた」と引退を懸けていた。
山岸隼(23)が「パパみたいな存在」と頼りにする兄貴分。コートに入ると、周囲は明るくなる。この入れ替え戦でも、コート内での前向きな声掛けが目立っていた。チームメートを信頼しているからこそ、リーグ戦よりも入れ替え戦に照準を合わせて、コンディションを調整。そして、昇格へと導く働きぶりを見せた。「今までのヴォレアスの人たちの功績があったからこそ」と先輩たちに感謝した。チームの歴史に新たな1ページを刻み、再び歩みを進めていく。