新球場開幕戦投げた~い!ドラ1達が指名あいさつ
新球場の開幕投手やりたい! プロ野球ドラフト会議で日本ハムから1位指名を受けた奈良・天理高の達孝太投手(17)が13日、同高で指名あいさつを受けた。球団からは、2023年北広島市に完成する新球場の“顔”となることを期待されている。194センチの長身右腕は2年後の開幕戦を見据え、「投げさせていただけるなら投げてみたい」と名乗りを上げた。
先発にこだわり「ゲーム任される責任感楽しみ」
無限のポテンシャルを秘めた大器は、鋭い視線を2年後に向けた。日本中が大注目する新球場の開幕戦。その先発投手に、達が立候補した。
「あの球場で投げられるだけでもありがたいですが、やっぱり一番最初に投げさせていただけるのであれば、投げてみたいっていうのが正直な気持ちです」
ドラフトから2日たったこの日、大渕スカウト部長、熊崎担当スカウトから指名のあいさつを受けた。冒頭はさすがに緊張を隠せなかったが、終了後は「ドラフトの次の日くらいまで実感がわかなくて、ようやくちょっと実感がわいてきたなって感じです」と顔をほころばせた。
新球場の完成予想図が描かれたタオルと、ボールパークをイメージしたイラストや将来像などが綴られているビジョンブックをスカウトの“お土産”としてもらった。
球団はスケールの大きさを高く評価し、北広島での大活躍を願っている。期待を肌で感じた右腕は「それに見合う結果だったり、ピッチングをしないといけない」と端正なマスクを引き締めた。
日本ハムからの指名は、運命だったのかもしれない。今年9月、達はボールパークのイメージ映像を偶然、目にしていた。「日本にはない球場で、アメリカのグラウンドに近いイメージ。それを知った瞬間から、あの球場でやってみたいと思っていました」と憧れを抱いた。そして、ドラフトは右腕を北の大地に導いた。
将来の目標にメジャー行きを掲げるが、決して日本野球を軽視しているわけではない。「今はプロ野球の世界で結果を出すことだけ考えている。最終的に日本では日本一のピッチャーになりたい」と、まずは実績を積み上げ、日本の頂点を目指す。
抑えや中継ぎではなく、先発にこだわりがある。「一番目立つのが先発で、試合を左右するのも先発。そのゲームを任される責任感が、自分の中での楽しみ」。23年の開幕戦までは、まだ誰も投げたことがない真っさらなマウンド。記念すべき新球場の第1球を投げるため、地道に腕を磨いていくつもりだ。
(近藤裕介)
■プロフィール
達 孝太 (たつ・こうた) 2004年3月27日生まれ、大阪府出身。右投げ右打ち。天理高の投手として今春の甲子園では自己最速の149キロをマークするなど、チームを4強に導いた。194センチの恵まれた体格から投げ下ろす右の本格派で、角度と伸びのある快速球が武器。スケール感、将来性ともに魅力抜群。類いまれなポテンシャルを秘め、先発投手陣の大黒柱になりうる大器だ。194センチ、84キロ。
大渕スカウト部長絶賛「潜在能力抜きんでている」
大渕スカウト部長は、達について「スケール感、潜在能力が抜きんでている。今年のナンバーワン。今年のドラフトで最も活躍する可能性が高い選手と判断した」と高い評価を口にした。
2023年に完成するボールパークのスター候補だ。「新球場を背負って戦ってくれる、超のつく一流選手が必要だった。これからのファイターズを背負ってくれる、そういう投手になってほしい」とエールを送った。
194センチの長身はダルビッシュや大谷と比較されるが「そういった過去の前例にとらわれず、われわれの見たことがない選手になってほしい」と大きな期待を寄せた。