伏見 移籍後初安打 ルーキー並み祝福に「11年目ですから(笑)」
■パ・リーグ2回戦 日本ハム2-5ソフトバンク(4月12日、ペイペイドーム)
七回の第3打席で右前打 開幕から19打席目でのシーズン初ヒット
肩の荷が少しだけ、降りた。今季、フリーエージェント(FA)権を行使して加入した日本ハムの伏見寅威捕手(32)が12日、ペイペイドームで行われたソフトバンク戦に先発出場し、移籍後初安打をマークした。開幕から19打席目で生まれた大きな一本。「僕の初安打ごときで…。チームが負けたのに」と謙そんしながら「迷惑ばかりかけているので、もっと貢献していきたい」と前を向いた。
七回2死で迎えた第3打席。東浜を相手にファウルで粘り、カウント2―2から7球目の149キロ直球を右前にはじき返した。一塁に到達すると、両拳を握り、喜びをかみしめながら安堵の表情を浮かべた。
三回には好捕に阻まれるも強い打球 「いつか出るやろう」
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三回の第1打席では三塁線を抜けそうな強い打球を好捕されていた。のどから手が出るほど欲しかったヒットを逃し、内心は悔しかった。七回の一打で嫌なイメージを払拭。「だいぶうれしかったです。良い当たりは出ていたので、いつか出るやろうぐらいの感じだったんですけど、ああやって捕られるとちょっと嫌だなと思っていた」
記念のボールを手に感謝 さらなる活躍へ心機一転
安打の後、代走を送られ、ベンチに戻ると、チームメート、スタッフの計らいで、記念のボールが手元にやってきた。それを大切にかばんにしまった。まるで、ルーキーの初安打を祝うようなシーンだった。
伏見は照れくさそうに感謝を口にした。「プロ11年目ですから(笑)。でも、そういう光景を見ると、みんな気を使ってくれていたんだなと思って。今、1軍にいる野手の中では最年長なので、気を使わせないように頑張っていきたい」。縁があって戦列に加わった道産子は、地元球団の躍進のために力を尽くす。