野村 チーム新球場1号は貴重な先制3ラン BiSH効果で心機一転
■パ・リーグ1回戦 西武2ー5日本ハム(4月14日、エスコンフィールド北海道)
三回2死一、三塁で記録に残る一発 内角直球を巧みにはじき返した
若き主砲がメモリアルなアーチを描いた。日本ハムの野村佑希内野手(22)が14日、エスコンフィールド北海道で行われた西武戦に「4番・DH」で先発出場。三回2死一、三塁の先制機で左翼席へ豪快な本塁打を放った。新球場4試合目で生まれたチームの〝エスコン1号〟に「あまり気にしないようにしていたけど、4番として1本目を打てたのはすごくうれしい」と、お立ち台で満面の笑みを浮かべた。
スタジアムが暗転し、照明の美しい光が駆け巡る。ベートーベンの交響曲第9番「歓喜の歌」に祝福され、気持ち良さそうにダイヤモンドを駆け抜けた。松本の内角直球を上手にさばくと、打球は左翼フェンスの向こうにある相手ブルペンに飛び込んだ。仲間がつくったチャンスに最高の結果で応え「何とか、かえしたい気持ちだった。先に点を取れば加藤さんも楽に投げられると思っていた」と胸に秘める責任感を言葉に変えた。
登場曲に変更の「BiSH」楽曲が心の支え 「打てなくなるまで使う」
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女性6人組ユニット「BiSH」の大ファンを公言する野村は、この試合から登場曲を同バンドの「PAiNT it BLACK」に変更。思い入れある曲に背中を押されて、記念の一発を放ってみせた。
結果を残せずに、もがいていたシーズン開幕前、同じくレギュラー獲りに苦戦する万波と食事を共にした。高卒同期の2人はその席で同曲の歌詞にある「諦めること諦めて」のフレーズを話題にし、強く共感。「調子が悪くなった時に、どこかで流したいねと話していた。マンチュウは調子が良いので、僕の方がタイミング的に変えやすかった。打てなくなるまで使おうかなと思います」。これからも大好きな歌を心の支えに打席へ向かうつもりだ。
オフには念願のライブを鑑賞 若き4番は頼れる〝北の清掃員〟
BiSHのファンは「清掃員」と呼ばれ、その総称はクリーンアップを務める野村とも通じるものがある。昨年末には万波らチームメートと共に念願だったライブを鑑賞。オフに英気を養って長丁場のシーズンに備えた。「打席に立っただけでファン、チームメートに期待してもらえるのが中心打者。タイムリーや本塁打、打点でチームの流れを持ってくる。みんなが乗っていけるような打席を、たくさん過ごせる打者が理想の4番」。北の清掃員が、きょうも塁上の走者を一掃する。