トップチームで幻ゴールの札幌U-18FW出間思努 プリンスリーグ開幕戦でハットトリック発進
■高円宮杯U-18サッカープリンスリーグ北海道 第1節(15日、北海道コンサドーレ札幌東雁来グラウンドほか)
▽北海道コンサドーレ札幌6-0帯広北高
帯広北高に6-0 エースが左右の足から得点量産 「もうちょい決められるとこあった」
昨季3位の北海道コンサドーレ札幌U-18が開幕戦で帯広北に6-0で快勝発進した。今年3月にトップチームで2種登録し、同25日のルヴァン杯アウェー磐田戦でJデビューを果たしたFW出間思努(いずま・しど、3年)はハットリックを達成。磐田戦では公式記録の訂正で幻のゴールに終わったが、その悔しさをプリンスリーグで晴らした。
エースがゴールラッシュで開幕戦快勝に花を添えた。ゴールへの鋭い嗅覚で、左右両方の足からゴールネットを揺らした。利き足は左だが、2-0の前半39分にDF坂本勘汰(2年)からの浮き球パスをペナルティーエリア内で右足で合わせて今季初得点をマーク。後半24分にはエリア内左でスルーパスに反応。今度は左足を振り抜いて2得点目を決めると、同39分には自陣からのロングボールにセンターライン付近からゴールへ向かって走り右足でトラップ。「キーパーを引きつけてアウトで巻いた。最高。あれは気持ち良かった」。最後は左足アウトサイドの技ありゴールで締めくくり、「快勝っすね。もうちょい決められるところがあったけど、ハットトリックとチームも6-0で勝てて良かった」と声を弾ませた。
デビューしたルヴァン杯では「ユースよりも強度が高いし、質も高い。予測して動けたら」
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ルヴァン杯から大きな経験値を得てチームに戻ってきた。「こっちだと(スピードが)落ちるので、その分、少し余裕を持てるかな。体の強さは元々あるので、そこは何とか(プロでも)キープできるけど、その動き、スピードとかが違うっすね。ユースよりも強度が高いし、質も高い。もっと集中してやらないといけなくて、頭を使う量が違う。これからもプロのトップの人たちの動きを見て、予測して動けたら」。すでにプロレベルを想定し、日々の努力を続けている。
試合後に得点者の訂正 「ミランが触ってゴールになったので悔しかった。次は決めたい」
磐田戦での幻のゴールシーンについては「自分が触った感触があって、ボーンじゃなくてスカでした。後ろを向いたら入ってたので、自分と思ったけど、後ろでミラン(トゥチッチ)が触ってゴールになったので悔しかった。(訂正になると)思ってたっす。次は決めたいっすね」と清々しい。プリンスリーグではトップチームのコーチ陣が視察する中で猛アピールに成功。今度は赤黒に染まった札幌ドームのピッチに立つ日を夢見る。
U-12から赤黒のユニホームを着てきた。札幌藤野南小6年時には、2017年全日本少年サッカー決勝でC大阪U-12相手に先制点を決めるなど、幼い頃から生粋のFWとして成長を遂げてきた。高校生となり、昨季は2年生ながら4ゴールを挙げたが、チームは過去ワーストの3位。「得点王を目指してる。チームも全勝を目指して、無敗で終わりたい。自分たちでプレミアに上げて、それを土産にトップチームに昇格する」と2年ぶりのタイトルは通過点とするつもりだ。
名前の由来は「思いやる心と、見せない努力」
「思努」という名前には「思いやる心と、見せない努力」という意味が込められている。名字についても「聞いたことない」と、同名の人物には出会ったことがないそうで、よく「でま」と間違えて呼ばれるという。「この間も学校で新しい先生に『何て読むの?』って言われたけど、食い気味で『いずま』ですって答えました」。順調にトップチームでも活躍するようになり、見えない努力が報われるような日が来れば、自身の名を自ら説明する必要もすでになくなっているはずだ。