《岩本勉のガン流F論》試合が壊れるならば、上沢で エースへの信頼と期待
■パ・リーグ2回戦 西武10ー0日本ハム(4月15日、エスコンフィールド北海道)
今回ばかりは西武打線が上回った 安打10本のうち8本が単打
上沢が9失点。一言、今回ばかりは西武打線が上回った。三回まで1人の走者も出さずに完璧な内容だった。それが四回、一気に崩れた。1死二塁から外崎に死球を与えたが、ただのすっぽ抜け。影響があったとは考えられない。決して自滅ではない。
では、なぜか。三回までと何が違ったのか。西武打線の安打はトータル10本。うち8本が単打だった。四回はぴったり1番からの2巡目。大振りせずに投手の足元へコンパクトに―という対策が奏功した。
前日、九回に外崎の2ランはあったにせよ、加藤貴に100球で敗れた。投手は違えど、かなり時間をかけ、ミーティングを行ってきたはずだ。
ベンチが与えた上沢への試練 次回の登板でどういう投球を見せるか
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六回には2つの押し出し四球もあった。この試合に限り、気力、体力は限界に達していた。1死一塁で自身の暴投もあって二塁。そこから3連打。この時点、もしくは次打者の柘植に1ボールとなったタイミングが代え時だった。
だが、ベンチは続投させた。それはエースを信頼し、期待していたからこそに他ならない。「試合が壊れるならば、上沢で」。エースに試練を与えたのだろう。
打線は1安打。文字通り完敗だ。やられる時はコテンパンでいい。逆に切り替えやすい。上沢も同様だ。引き出しの選択肢はまだまだ豊富。次回の登板で、どういうピッチングを見せてくれるかだ。
捕手・マルティネス 既存のキャッチャーへ刺激を与える采配
もう一つ、首脳陣からのメッセージがあった。マルティネスが八回からマスクをかぶった。宇佐見よ、伏見よ、清水よ。考えてくれ! 彼の多様性を試したのではないだろう。ベンチは既存の捕手に物足りなさを感じているはず。刺激を与える采配だったと感じた。