昨季札幌所属の浦和FW興梠から手痛い恩返し 前半に決定機阻止のレッド 後半はシュート阻止のハンドでPK献上
■J1第8節 浦和4-1札幌(4月15日、埼玉スタジアム2002)
今季最多得点差の1-4で2試合ぶり黒星 順位は12位に
北海道コンサドーレ札幌は敵地で浦和レッズと対戦し、今季最多得点差となる1-4で2試合ぶりに敗れた。試合開始から一進一退の攻防を繰り広げたが、前半34分にDF中村桐耶(22)がレッドカードを受けて一発退場。一人少ない状況で同41分に約半年ぶり公式戦復帰のMF駒井善成(30)を投入して耐えようとしたが、後半23分に先制点を献上した。同31分には相手にも退場者が出て数的同数となったが、同38分に昨季札幌に在籍した浦和FW興梠慎三(36)によるPKで追加点を奪われた。同43分にはFW菅大輝(24)の今季初ゴールで食らいつくも、同アディショナルタイムは力尽きて2失点を喫した。通算2勝3分3敗で、勝ち点は9のまま。順位を12位まで下げてしまった。次戦はルヴァン杯で、19日にサガン鳥栖と対戦する。
序盤は一進一退の攻防も 一人少なくなったことで戦況が傾く
中村の退場が大きく響いた。ゲームキャプテンを務めたMF荒野拓馬(29)が「自分たちのアグレッシブなサッカーで、守備からはめる部分でチャンスがありましたし、ピンチもしっかり体を張ってみんなで守れてました」と試合序盤を振り返るとおり、数的同数で戦っていた時は、プレスをかけてボールを奪い、素早くカウンターを仕掛けて相手ゴールへ迫るという狙いは何度も見られ、惜しいチャンスもあった。
前半34分に中村が裏抜ける興梠倒し一発レッド 後半38分はシュートに青木がハンド
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しかし、昨季は頼もしかった味方が敵方に回り、その怖さを見せつけられた格好だ。荒野が「動き出しもうまいし、体の入れ方とか使い方もうまかった」と評したとおり、警戒していた興梠にやられた。
前半34分、カウンターで抜け出され、抑えなければGKと1対1となる場面で興梠を倒し、得点機会の阻止として中村が一発レッド。それまで両チーム3枚のイエローが出ていたが、さらに厳しい判定がここで下された。荒野は「(中村)桐耶にはこの経験を次に生かしてほしい」と奮起を促し、退場した後輩を気遣った。
2失点目のPK判定も興梠のシュートをブロックするためのもの。エリア内右から放たれたボールにMF青木亮太(27)がスライディングで飛び込み、受け身を取るために地面に伸ばした左手がつく寸前に当たったものだ。一度は流されたが、VARのオンフィールドレビューで主審が確認して判定が変更された。
ゲームキャプテン務めた荒野「自分たちが追いついたり、逆転できるチームになればいい」
後半31分には相手にも退場者が出て結局、カード8枚が乱れ飛んだ。「90分通してレフリングのところで不利に進んだところもあった」と素直な心境も吐露した荒野だったが、「同点に追いつくチャンスだったり、押し返すチャンスというのはいっぱいあった。そこでしっかり自分たちが追いついたり、逆転できるチームになればいい」と引き締め、自分たちの力で打ち勝てなかったことを嘆いた。
FW菅のゴールで意地見せるも 試合終了間際で集中力落ちた
0-2から後半43分に菅のゴールで1点差となり、同点に追いつき追い越すチャンスもあったが、10分あった後半アディショナルタイムにその力は残っていなかった。ペトロヴィッチ監督が「1人少ない時間帯が長かったことが選手を疲労させ、その疲労から集中力が落ちた」と話したように、試合の半分を数的不利で戦った中で疲弊していた。最後はまたしても今季の守備面の課題である連続失点を喫し、結果的に大敗となってしまった。
それでも下を向いている時間は無い。来週は中3日で水曜日のルヴァン杯・鳥栖戦、日曜日のリーグ・福岡戦と、1週間で2試合という過密スケジュールが続く。荒野は「まずはルヴァン杯。負けられない戦いなので、そこをみんなで一つになって戦いたい。そして次のリーグ戦はホームゲームだし、連敗は許されない。福岡は堅い試合をしてくると思うけど、自分たちのアグレッシブなサッカーで勝ち切りたい」とホームでの逆襲を誓った。
次戦から5月末までの公式戦は9試合のうち7試合が本拠地・札幌ドーム開催
開幕から公式戦11試合中8試合をアウェーで戦う〝死のロード〟はようやく終わった。次戦から5月末までの公式戦は9試合のうち7試合を本拠地・札幌ドームで戦うことができ、立て直すにはうってつけの時間になる。まずはその初戦となる鳥栖戦から反攻を開始する。
◆後半43分に利き足ではない右足で今季初ゴールを決めたFW菅
「開幕からチャンスがあった中で決め切れてなかったので、(今日は)決められて良かったけど、僕が決めた試合でチームが負けるということが続いているので、次もまた(ゴールを)取ってそれを覆したい」