夏季スポーツ
2023/04/16 19:00

青森山田高の道産子GK長谷川龍也 地元でプレミアデビュー

後半45分、地元・北海道でプレミアリーグデビューを果たした青森山田高の道産子GK・長谷川(撮影・西川薫)

■高円宮杯U-18サッカープレミアリーグイースト 第3節(16日、旭川実業グラウンドほか)
▽旭川実業高0-3青森山田高

 全国タイトル9度を誇る青森山田高の道産子GK・長谷川龍也(3年)が、試合終了間際にプレミアリーグ初出場を果たした。この春は控えだが、アピールを続け名門の正GKの座をつかむ。

187センチ長身GK、途中出場

 3点リードで迎えた後半45分、187センチの長身GK長谷川がピッチイン。「チームが大量得点してくれれば、自分の出場機会もあるのかなって心の中で思ってずっと準備をしていた。いざ試合に出てみても緊張感は今まで自分が出てきた試合とはもう桁違い。そこで初めての試合を経験することができて、すごい良かった」。札幌から応援に駆けつけた家族の前で、成長した姿を見せつけた。

 札幌出身の正木昌宣監督(41)は、温情器用ではないことを強調する。「北海道出身だからってことじゃなく、実力的にもレギュラーで出られるぐらいのポテンシャルはあります。強みは後ろからのコーチング。安定感もありますし、身長も大きいのでハイボールに強い。(試合の)最後の方、少しロングスローとかコーナーで押し込まれていたシーンもあったので、彼の高さは一つの武器になる」と起用理由を明かした。

幼稚園からGK一筋

 札幌出身。幼稚園のサッカー大会で「無理矢理やらされて」からGK一筋。「小学校の時から青森山田に行きたいって決めていた」。札幌真駒内中進学時に、当時同校コーチの正木監督と親交のある土門祐基さんが監督を務める札幌ジュニアに入団。2年時にはナショナルトレセンU-14にも選出された。

室蘭出身の先輩、松木に衝撃

 青森山田高入学時、3年には室蘭出身の松木玖生(19、FC東京)が主将として強烈な輝きを放っていた。「一緒に練習したり、自主練習でたまにシュートを打ってもらう機会があったんですけど、プロに入ってすぐスタメンに定着する選手はこのレベルのシュートを打ってくるんだなと。自分のレベルがもう本当に低いっていうか、自分の実力がまだプロに通用するものではないのかって、絶望というか悔しさがありました」と衝撃を受けたそう。

 ストロングポイントは187センチの身長とウイングスパン。「シュートを打たせる前にフロントダイブで防いだり、パスをカットしたりするのが一番得意。(DF)裏のケアとか、裏のボールに対しての狙いは、試合中すごく考えている」。激しい生き残り競争をくぐり抜け、2年時後半からトップチームに昇格した。

 2年ぶり2度目の高校3冠を狙う。「3節までを振り返ってみても、大量得点できたのもそうですし失点も0。そしてシュートも少ない本数で終えてきたので、チームとしては堅くて柔軟性があり攻撃もすごい活性化されてる。チーム全員が一人一人を信じていれば、3冠っていうのも夢ではない」と意気込む。

今夏インターハイで凱旋する

 最初のタイトルとなるインターハイは今年、地元・北海道で開催される。「親が見に来てくれたり、期待してくれてる。その時には自分がスタメンを奪って、チームの3冠目標の1つ目のタイトルを獲得できるように、チームに貢献できるキーパーになっていきたい」。部員200人を超える超名門で確固たる地位を築き、胸を張って北海道に帰ってくる。

 

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