吉田輝星 〝球児本〟読んでフォーム修正し2軍戦で5試合ぶり無失点 「久々に気持ちよく投げられた」
■イースタン・リーグ4回戦 DeNA2-5日本ハム(4月18日、鎌ケ谷スタジアム)
暗中模索の日々から光明 九回を3者凡退に抑えて今季初セーブ
暗闇に光明が差した。日本ハムの吉田輝星投手(22)が18日、2軍DeNA戦(鎌ケ谷)で3点リードの九回に登板し、1回を3者凡退に抑えて今季初セーブを挙げた。前回登板まで4試合連続で失点を喫し、5試合で9回8失点と苦しんでいた。ようやくの快投に「3人で終わるって久しぶりだったので、ちょっと解放された。試合の中で投げ方を考えずに、やっとバッターと対戦できる状態になってきた。久々に気持ちよく投げられた」と笑みがこぼれた。
自慢の球威とマウンドでの躍動感がよみがえり別人のよう
前回までとは、まるで別人だ。先頭の知野はフルカウントから、145キロの直球で空振り三振。続く小深田からはフォークで2者連続三振を奪った。最後は助っ人アンバギーを一飛に打ち取り、ゲームセット。自慢の球威と、マウンドでの躍動感がよみがえった。
藤川球児氏の著書を1日で読破 2軍巨人3連戦に帯同せず鎌ケ谷でフォーム確認
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調子を取り戻すきっかけは、一冊の本だった。藤川球児氏の著書「火の玉ストレート プロフェッショナルの覚悟(日本実業出版社)」。藤川氏とは、昨季の春季キャンプで指導を受け、その後も連絡を取り合う間柄。「時間はあったので、藤川さんの本がないかアマゾンで調べて、買いました。普段、本は読まないんですけど、興味がある本はすぐ読める。寮のサウナでも部屋でも読んで、1日で読み終わりました」。これまでに教わったことを本で〝復習〟し、練習に生かした。
前カードの敵地で行われた2軍巨人戦には帯同せず、鎌ケ谷に残留。「普段やらないですけど、練習中のフォームもずーっと(映像で)撮って、去年のフォームも見ながら、必死に藤川さんにどういうことを言われて良くなったかをもう一回確認した。足を上げて投げにいくときに、ちょっと(上体が前に)突っ込むと、藤川さんにまた突っ込んでいるねってよく言われていた。そうしないためにどうすれば良いかなって感じで動画を見てみたら、最近のフォームは力めば力むほど前に行っていた。そうならないように繰り返し練習した」と、フォームの修正に時間を費やした。この日の登板を終え、「このジャイアンツ戦3日間の練習の成果が良い感じに出ていた」と手応えをつかんだ。
「マジで今週が勝負。いいピッチングができたので、これを体に染みこませていきたい」
今週はあと2試合の登板が予定されている。「マジで今週が勝負だと思っている。レベルアップした3者凡退をどんどん見せていきたい。せっかく週の頭にいいピッチングができたので、これを体に染みこませていきたい」と意気込んだ。暗中模索の時期は終わった。あとは真っすぐ、見つけた光に向かって進むだけだ。