■パ・リーグ５回戦　ロッテ４ー３日本ハム（４月１９日、エスコンフィールド北海道）

６回４失点で今季２敗目　今季ここまで３試合に先発し白星なし

　日本ハムの伊藤大海投手（２５）が１９日、エスコンフィールド北海道で行われたロッテ戦に先発。６回４失点（自責３）で２敗目を喫し、今季初白星はまたしてもお預けとなった。「ふがいないっていうか、自分が弱いなって。ピッチングも気持ち的にもそうですし、言葉にするのが難しいです」と悔やんだ。

　開幕から３試合連続白星なし。悔しくてたまらないはずなのに、どこか冷静な自分もいるという。「悔しいのは悔しいんですけど、本当に悔しいのとまた違うというか…。魂を燃やし切れていないというか、自分の良さを見失っている感はあるので、もう一回自分で火をつけられるようにやっていきたい」

ダッシュで六回のマウンドへ「かっこ悪くてもいい。自分を奮い立たせる何かが必要」

　その思いを行動に移していた。五回終了後、建山投手コーチから「変わる？」と尋ねられると「もう一回、行かせてください」と志願した。３点ビハインドの六回。普段は歩いて行くマウンドへ、伊藤は全力疾走して向かった。

　「何か変えていかないといけないので、初心に戻って。投手をやり始めの頃は早くマウンドに上がりたくて走って行っていた。かっこ悪くてもいいと思いますし、自分を奮い立たせる何かが必要」とダッシュ。少年時代の気持ちを取り戻し、この回を無失点で切り抜けて降板した。

道産子右腕の魅力は闘争心むき出しの投球　ここから再スタートを切る

　ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）では中継ぎとして世界一に貢献。シーズンに入り、「試合当日を迎えて、いつもメラメラしている感じが、今は８０（％）ぐらい。マックスで燃えられていない」と悩んでいる。この日は二回に、井上の左越え２ランで先制点を献上。いつもならゼロにこだわってきたが、「６回２失点、７回２失点と切り替えられてしまっている自分もすごくかっこ悪い」と反省した。

　伊藤大海の魅力といえば、闘争心むき出しのピッチング。「一回ライターであぶってみますか」と冗談めかしつつ、「ひたむきに、こうありたい、自分はこうでないといけないっていう思いを持ち続けて、そこに向かって取り組んでいく必要があると思います」と表情を引き締めた。先発の柱としての自覚は十分。次回登板では、違った姿を見せてくれるだろう。