夏季スポーツ
2023/04/20 20:00

札幌Dで高校大会続々 11月に高校サッカー決勝 10月は高校ラグビー決勝、秋季全道高校野球

冬の風物詩、全国高校サッカー選手権の北海道大会決勝を札幌ドームで初開催することが発表した、北海道サッカー協会・越山会長(右)と札幌ドーム・山川社長(撮影・西川薫)

逆境を逆手に新機軸でアマチュアを支える

 日本ハム移転後の札幌ドームが、道内アマチュアスポーツの聖地として生き残りをかける。

 20日、北海道サッカー協会と札幌ドームは、高校サッカー3冠の1つ、全国高校サッカー選手権北海道大会の決勝戦を、11月の第2週(11日もしくは12日)に札幌厚別公園競技場から札幌ドームに舞台を移して初開催することを発表した。札幌ドームでは10月1日に高校ラグビーの花園予選となる南北北海道大会決勝、同18日から秋季全道高校野球大会の初開催が予定されており、来年度以降もアマチュアスポーツへ門戸を広げていきたい考えだ。

北海道サッカー協会と札幌ドームががっちり握手

 北海道サッカー協会の越山賢一会長とがっちりと握手した山川社長は「秋の高校野球道大会、それと同じように高校サッカーの試合もできないかなと考えておりました。北海道サッカー協会と互いにその思いが一致して、決勝戦を開催することになった」。約1年ほど前から調整を続けて実現にこぎ着けたそう。

 越山会長も札幌ドームの協力に感謝した。02年の日韓W杯を開催し、J1北海道コンサドーレ札幌のホームスタジアム。「これほど大きな大会を世界に誇るドームで行えることに感謝しております。今の高校生年代の子供たちが、厚別から移ってきてここでサッカーができるという夢を今度は目標にして、それが現実になった」。

厚別競技場改修で2年間使用中止

 今年は決勝戦のみだが、24年度と25年度は厚別公園競技場が改修工事に入り使えないため、最低2年間は準決勝も厚別以外での開催が決定している。越山会長は現時点では全く未定としながら「選手にとっては、ここのグランドに足を踏み入れることが人生において、またとない2度とないチャンスかと思います。そういうチャンスを多くの子供たちに選手に与えることができるんであれば、1試合とは言わずというのが本音です」。ネックはホヴァリングステージ移動に伴う経費負担だったが、コンサドーレの全面協力により公式戦前後のサッカーモードでの開催となった。決してハードルは低くないが、来年度以降の試合数拡大の可能性も模索していく。

ファイターズの60日分をどうやって埋めるか

 今回の高校サッカーはじめ、ドームは積極的にアマチュアスポーツ団体との大会開催を誘致してきた。山川社長は「ファイターズが出て行きまして、いままで60日以上使ってたところが空きますんで、それをどうやって埋めるか、われわれの課題としてやってきてる。その中で今までにない形のものをやっていかなきゃいけないのと、広くアマチュアスポーツの方も利用していただくような、そんな機会を持たなきゃいけないだろうと。野球の方はアマチュアしかなくなっちゃいましたので、高校野球それから大学野球、社会人野球って9月10月とやってもらえる形にしてます。その他も今回のようなサッカー、アマチュアのスポーツで使う機会があれば、ぜひ使っていっていただきたい」と今後も開催を受け入れていく方針だ。

 札幌ドームの基本料金は、オープンアリーナで1日当たり308万円。今回の野球、サッカー、ラグビーもNPBなどプロスポーツとは違い、かなり抑えた価格設定になる見込み。「あとはコンサートとか展示会とか、そういうのでどんどん埋めてって、皆さんがここに来ていただいて、楽しんでいただく。そして、われわれも営業で上がっていく形が望ましい」(同社長)。逆境を逆手に取り、新機軸で道内アマチュアスポーツを支えていく。

 

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