松本剛 価値ある先制&決勝の犠飛 チームは左腕から今季初勝利
■パ・リーグ6回戦 ロッテ0ー2日本ハム(4月20日、エスコンフィールド北海道)
三回に均衡を破る左犠飛 今季5戦目でやっと苦手の左腕から白星
派手さはなくとも勝てる。つなぎの野球で〝左アレルギー〟を克服した。日本ハムの松本剛外野手(29)が20日、エスコンフィールド北海道で行われたロッテ戦に「2番・左翼」で先発出場。両チーム無得点の三回無死一、三塁の好機で、決勝点となる先制の左犠飛を放った。打線は四回にも犠飛で追加点を獲得。しぶとく奪った2点を守り抜き、連敗を「4」で止めた。
苦手の左腕から、ようやく白星を挙げた。この日の相手先発はメルセデス。4月5日の前回対戦で6回3安打無得点と完璧に抑え込まれていた。今季のファイターズ打線は左投手に対してめっぽう弱く、相手先発がサウスポーの試合は0勝4敗。宮城(オリックス)、エンス(西武)、小島(ロッテ)らと対戦し合計24回1/3で1得点しか奪えていなかった。
チームで左腕対策を徹底 小技、足技も駆使し泥臭く
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とことん抑え込まれた左腕に対抗するため、この試合では序盤から狙いを絞って攻撃を仕掛けた。各打者は内、外角どちらかのコースに狙い球を定め、引っ張りか流し打ちを選択。「ハッキリ打席の中で表現しようと(打撃コーチの)八木さんも話していた。それが良い方向にいったのかなと思う。安打はそんなに出なかったけど、大事なところで奈良間の犠飛も出た。流れとして良かったのかな」。決まり事を徹底することでリズム良く攻撃を展開した。
盗塁や犠打。積極的に仕掛けた小技でも、じわりと相手を追い詰めた。松本剛は八回無死二塁の場面でバント安打を決め、チャンスを拡大。打線が湿りがちな状況で、スモールベースボールへの回帰は有効な一手だった。「簡単に点が取れないのは事実。きょうは(鈴木)健矢がテンポ良く0で抑えてくれた。投手に、おんぶに抱っこという形で、チーム打率を見てもこういうゲームになるのは必然。今は正直こういう勝ち方しかできない」と松本剛。ロースコアのゲームは臨むところ。次戦も辛抱強く、泥臭く1点を奪いにいく。
好調中軸へのつなぎが勝利へのカギ 松本剛「何とかクリーンアップに」
白星という良薬は得た。あとは打線全体の復調を待つだけだ。「(清宮、野村、万波の)後ろの3人は長打があるし、見ていると相手投手も嫌そうに投げている感じが多い。何とかチャンスでクリーンアップに回せれば、相手にプレッシャーがかかると思う」。主役、脇役は問わない。選手会長は勝利のために役目を全うする。