新庄監督 故障者続出で痛すぎる大逆転負け 単独5位逃す
一時大量6点リードも守り切れず 新庄監督「なんちゅうゲーム」
結末は非情だった。日本ハムは21日、楽天モバイルパークで楽天と対戦し、最大6点リードを覆され、逆転サヨナラ負けを喫した。勝てば単独5位浮上だったが、終盤に暗転。石川直也投手(26)、清宮幸太郎内野手(23)の負傷が判明する中、限られた戦力で手を尽くした新庄剛志監督(51)は「なんちゅうゲーム。悔しいけどね…」と声を絞り出した。
用兵に苦心した。20日の試合でセーブを挙げ、抑えとして定着するはずだった石川が左内転筋の違和感を訴え、登板できなかった。固まりかけていた勝ちパターンをリセット。建山投手コーチは「石川がきょう使えない状況だったので、みんないつもと違うイニングで投げてもらった」と説明。セットアッパーのロドリゲス、田中正で逃げ切る算段を立てた。
即席の勝利の方程式はまらず 黒星の田中正「申し訳ない気持ち」
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しかし、急造方程式は、はまらなかった。八回、ロドリゲスが西川にソロ弾を浴びて1点差。九回は田中正が連打と犠打を処理した自らの悪送球で無死満塁のピンチを招き、西川に同点打、山崎にサヨナラ打を浴びた。今季、ソフトバンクから移籍してきた右腕は抑えの役割を全うできず「みんなが最後までつないできたイニングを守れず、申し訳ない気持ちです」と悔やんだ。
五回にも難しい局面があった。集中打で7点を奪ったが、味方の攻撃を待つ間、先発・加藤貴の準備時間が伸びた。その裏、テンポ良く抑えいた左腕がつかまり、5安打を浴びて3失点。新庄監督は「打線がつながりすぎて、ベンチ前でキャッチボールを何十分もしていたから、気になった」と気遣った。
手痛い逆転負けに主力の離脱 それでも前を向く指揮官「今度はうちが逆転する野球を」
一つの黒星では割り切れないほど、ダメージは大きい。石川は22日にも出場選手登録を抹消される見通し。清宮は20日の試合の八回、ハーフスイングした際に左脇腹を痛めていた。18試合目で今季初の欠場も、抹消はせず、患部の様子を見ながら復帰を目指す方針だ。
波に乗りかけたところで不測の事態に見舞われ、急ブレーキがかかる。誤算続きの状況も指揮官は気を取り直し「今度はうちが逆転する野球を見せたいと思います」と訴えた。まだ時間は十分にある。やり返すことでしか、屈辱は晴らせない。