上沢 粘って要所を締めて今季2勝目 コントロール重視で八回途中3失点
■パ・リーグ5回戦 日本ハム5ー3楽天(4月22日、楽天モバイルパーク宮城)
本調子ではなくとも試合つくった 五回無死満塁のピンチは無失点
強い責任感がエースの体を突き動かした。日本ハムの上沢直之投手(29)が22日、楽天モバイルで行われた楽天戦に先発登板。八回途中3失点で今季2勝目を挙げた。「思った通りになかなか投げられなかった。球威もそこまで出なかったのでコントロールをしっかり意識しながら、いろいろな変化球を投げて散らしていった。なるべく的を絞らせないようにした」と、本調子とはほど遠い状態で貴重な白星を手に入れた。
何度ピンチを招いても、しぶとく粘り抜いた。二、三回は先頭打者に安打を許しながら併殺打で効率よくアウトを重ねた。この試合最大のヤマ場となった五回は無死満塁から島内を右飛、続く浅村は注文通りの二ゴロ併殺に仕留めて無失点。「(伏見)寅威さんやみんなが最少失点で何とか切り抜けようと話をしてくれた。それで気持ちが楽になった。最高の結果になって良かった」と再三再四、走者を背負っても冷静さを保ち続けた。
前回は自己ワーストタイの9失点 「置かれた状況の中で一番良いボールを選択」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
前回登板の西武戦は六回途中9失点。まさかの大炎上を経験し、この1週間はじっくり自らと向き合った。たどり着いた答えは「状態が良くないことを受け入れて投げるしかない。この前は良い時の状態に戻そうとしてギャップが生まれて、結局収集がつかなくなった。納得はできないけど、置かれた状況の中で一番良いボールを選択した」。この日はスライダーの割合を減らしてカーブやフォークなど縦の変化球を駆使。持てる力を出し切ることでゲームの要所を締めた。
投手陣はスクランブル状態 緊急事態でエースの役割全う
左膝を痛めたポンセに続き、ルーキーながら開幕ローテをつかんだ金村も右肩の張りを訴えて戦線離脱。アクシデントは重なり、22日には左内転筋肉離れと診断された守護神の石川が出場選手登録を抹消された。
シーズン序盤で緊急事態に陥った投手陣において、先発がイニングを稼いだ意味は大きい。「本来は普通にやらなければいけない仕事。それが今までできていなかった。やっと少しではありますけど、仕事ができたかなと思う」。役目を果たした大黒柱が、杜(もり)の都で復調のきっかけを得た。