【道6大学野球】旭川市大が〝公立1勝〟 エース・杉山1失点完投「勝つことだけを考えた」
■道6大学野球春季リーグ戦 第1節第1日(22日、苫小牧・とましん)旭川市立大2―1函館大
23年4月、私立旭川大から旭川市立大に
記念すべき〝初勝利〟―。北海道6大学野球が開幕し、今月から公立大学として開学した旭川市立大(旧旭川大)が開幕戦を制した。2―1で函館大に競り勝ち、公立となって初の公式戦を白星で飾った。エースの杉山大晟投手(4年、旭大高)が函館大打線を八回まで無失点に封じるなど、9回1失点の完投勝利を挙げた。幸先のいい滑り出しに、鷲田義典監督(56)は「新しい歴史を築きたい」と意気込んだ。
相手失策に乗じ先制点
エース・杉山を中心に、泥臭く1勝をもぎ取った。三回、相手失策で先制点を挙げると、続く四回にも相手のミスに乗じた。2死一塁から放った中前打を相手の中堅手が後逸し、一塁走者が一気に生還。序盤で試合の主導権をつかむと、杉山がその流れを渡さなかった。
八回までテンポ良くスコアボードに「0」を並べる完封ペース。九回こそ失策絡みで1点を失ったが、リードを守り切った。杉山は「去年の秋も初戦で函館大にやられていて、自分もふがいないピッチングで終わってしまったので、勝つことだけを考えて全力で腕を振りました」と汗をぬぐった。試合は10度に満たない中で行われ、雹も降る悪環境下だったが「バッターに集中できた」と気持ちが切れることはなかった。
新ユニホームは大会前日到着
新ユニホームは前日21日のギリギリに到着。この日はビジターユニホームだったが、23日は新たな大学ロゴマークが左胸に入ったホームユニホームを着用する。杉山は「みんな、新しい気持ちで臨めたんじゃないですか」と〝フレッシャーズ〟となって戦った。
私立から公立になり、野球で人が集まらなくなった。今年の新入部員はたったの2人。それでも勝利を重ねることが部員増につながると信じて、リーグ戦に臨んでいる。鷲田監督は「結果を出すことでスポーツも頑張っていきましょうっていう学校になってくれれば」と願った。選手も同様だ。杉山は「ここで野球もしながら勉強も頑張る。みたいな感じに、自分たちの頑張りで変わってくる」と皆の思いを代弁した。苫小牧で刻んだ1勝は、大きな一歩となる。