■パ・リーグ６回戦　日本ハム３ー４楽天（４月２３日、楽天モバイルパーク宮城）

ガムシャラさを欠いた上原　出し惜しみの投球に見えた

　「前回の反省を踏まえた投球」。プロ野球界で、よく使われる文言だ。それができたピッチャーとそうではない投手。対照的な２人が日本ハムに存在した。

　先発した上原。前回、志半ばの五回途中で降板し、涙まで流した。今回、その悔しさを晴らす投球は見られなかった。ガムシャラに全てを出し切っていただろうか。そうではないだろう。始めから五～六回を意識し投げていたのか。きれいな投球をしたかったのか。出し惜しみのピッチングに見えた。

求められるフルスロットルの投球　今回は後悔のピッチング

　これまでもチャンスを与えられてきた。そこでなかなか結果を残せないでいた。今、求められているのはスタートからフルスロットルの投球。三回でバテたとしてもいい。首脳陣も、そこに期待していたはずだ。前回が失敗の投球ならば、今回は後悔のピッチングと言わざるを得ない。

すべてを出し切った田中正　前回登板の悔しさを晴らした

　一方、田中正は名誉挽回した。２１日の楽天戦で１点リードの九回に登板し、逆転サヨナラを食らっていた。その試合から中１日。この日も九回にマウンドに上がり、１四球こそあったものの無安打無失点に抑えた。持ち前の強いボールに、腕を思い切り振ってのフォークボール。決して後悔のない、すべてを出し切る投球だった。

主軸に一本が出ず惜敗　切り替えが必要

　田中正を含め、リリーフ陣は踏ん張った。玉井も１イニング目は３者凡退と好投した。それでも競り負けた。四回には２死一、三塁で松本剛が左飛。七回には２死二、三塁で野村が右邪飛。主軸のバッターに一本が出なかったのが敗因の一つ。ただ、そういう試合もある。切り替えるしかない。