■Ｊ１第９節　札幌２―２福岡（２３日、札幌ドーム）

　復帰戦を白星で飾ることができなかった。右ふくらはぎを痛めて戦列を離れていた北海道コンサドーレ札幌のＧＫ菅野孝憲（３８）が２月１８日のアウェー広島戦以来、２カ月ぶりにスタメンに名を連ねた。しかし、チームは２点リードを守り切れずにドロー。菅野は「ゼロっていう時間を増やす」と次節に向け闘志を燃やした。

今季初ドーム、体全体で声援浴びる

　正守護神が戻ってきた。ホーム・札幌ドームでは今季初出場。体全体で浴びたサポーターからの大きな声援が心地よかった。「やっぱりグラウンドに立つのがいいなと思いました」と〝仕事場〟への復帰を喜んだ。離れている間も治療に専念しつつ「いつ戻ってもいいようにイメージはできていた」。ブランクを埋められるようイメージトレーニングは欠かさなかった。

　試合は２―０から追いつかれる悔しいものとなったが、菅野は「（後半）最初の１５分、２０分は福岡を褒めるべき。僕たちも気を付けていたけど、そこを上回られた」と結果を真正面から受け止めた。レフェリーの判定を巡り、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督（６５）もヒートアップ。ピッチに足を踏み入れる場面があった。

監督は「本当に一緒に戦ってくれている」

　「やっぱりいいですね。本当に一緒に戦ってくれている。逆にちょっと僕は落ち着きすぎていた。久々のゲームだったし、フルコート（での練習）をやっていなかったので、探り探りだった。僕は落ち着いて見ちゃってました」。指揮官の熱い気持ちは、十分感じ取っている。

　無事に復帰も果たした。あとは結果で示すのみ。「隙ができて相手に上回られれば失点も増えると思う。リズムが悪くなった中で１失点目もファウルして、（相手が）リスタートを速くして、後手に回った」と唇をかんだ。それでも「大崩れしないポジティブなものもある」と前を向く。ゴールマウスをどっしり守る背番号１の復帰が大きな光明となる。