札幌MF浅野 天国から地獄 スーパーゴール取り消され、PKで失点
■J1第9節 札幌2-2福岡(23日、札幌ドーム)
スーパーゴールが幻と消え、悔しいドロー…。北海道コンサドーレ札幌は6位のアビスパ福岡とホームで対戦。前半にMF荒野拓馬(30)とMF浅野雄也(26)がゴールを決めて2点を先行するも、後半同点に追いつかれた。ホームの大声援を背に受けて勝利を目指すも、同点後は福岡の堅い守備を最後まで崩すことが出来ず2-2で引き分けた。札幌は通算成績2勝4分3敗で勝ち点10。順位を14位に下げた。次節は29日にアウェーで横浜FCと対戦する。
後半8分、ハーフライン付近からGKの頭上越えるシュート
福岡に1点差に追い上げられた直後の後半8分、ハーフライン付近でボールを受けた浅野は、相手GKがゴールを空けて前に出ていることを確認すると、その位置から左足を振り抜いた。山なりの軌道のボールがGKの指先をかすめてゴールマウスに吸い込まれ、札幌ドームは歓喜と驚愕の大歓声に包まれた。「めっちゃうれしかったです」。浅野のロングループシュートで札幌がリードを2点差に広げた!…はずだった。
直前に青木ハンドとVAR判定
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
このプレー直後にVARが介入。チェック対象となったのは、浅野のゴールの前に、自陣ペナルティーエリア内でMF青木亮太(27)がハンドを犯したかについて。オンフィールドレビュー後に下されたのは、札幌のゴールを取り消して福岡にPKを与える判定だった。3-1になったはずが、PKを決められ2-2。短時間のうちに天国から地獄へ突き落とされた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)が「40年以上プロのキャリアがあり、長い経験がある監督だが、自分たちがゴールを決めたシーンで、逆にPKを取られて失点をしてしまうという本当にまれな判定が起こった」と嘆く無情な判定で、スーパーゴールは幻と消え去った。
浅野は2トップ右側の位置で先発出場。前半13分にはカウンターの場面でボールを受け、自ら敵陣へ持ち上がって青木にパス。その青木からボールを受けてペナルティーエリア内に進入したMFルーカス・フェルナンデス(28)からのマイナスのクロスに走り込んで、プロ入り後初めて右足でのゴールを決めた。自らが起点となり、フィニッシュも自身で決めた美しい連携ゴールに「いい流れで得点まで行けた。本当に最後はいいボールが来たので、誰が出てもあそこで決められたなという連動性だったと思います」。この場面以外にも攻撃面で大きくチームに貢献していただけに、後味の悪さが残る試合になった。
13戦中9戦で先制点、8戦追いつかれる
札幌はこの試合が今季13試合目の公式戦だったが、9試合で先制点をマークしているが、同点に追いつかれた試合は8試合、2点リードを追いつかれたのも3度目だ。「前半2-0で勝っていて、後半2失点しているのは、本当にチームの課題かなと思います」と振り返るとおり、なかなか〝悪癖〟を解消できないでいる。「意識次第で変わっていた結果。最後ゴール前で体を張ることだったり、そういうところかなと思うので、今日のことはしっかり切り替えて、次に向けていい準備をしていきたい」と、次戦以降で現状打破を誓う。
記録には残らないこととなったものの、札幌サポーターの記憶には間違いなく刻まれたスーパーシュートで、視野の広さと高いシュート精度を披露した浅野。その強力な左足で、次こそはチームの勝利に結びつくゴールを決めてみせる。