先発転向の北山 2軍戦で自己最長5回2安打1失点 「挑戦している感覚なので、すごくやりがいがある」
■イースタン・リーグ6回戦 ロッテ2ー3日本ハム(4月23日、鎌ケ谷スタジアム)
初回先頭打者弾にも動揺せず 手応え十分の5イニング
スターターとしての適正を見せつけた。日本ハムの北山亘基投手(24)が23日、2軍ロッテ戦(鎌ケ谷)に先発し、プロ最長の5回を投げ、2安打1失点と好投した。常時140キロ台後半の直球を軸に、5奪三振をマーク。「自分が目指すところを考えると、満足するべきではないです」と気を引き締めつつ、「でも5イニングを投げ切れたのは初めて。そこはすごく次につながる」と手応えも口にした。
中継ぎから配置転換後、2度目のマウンド。2軍本拠地の鎌ケ谷では、これが公式戦初登板だった。一回、先頭の高部にいきなりソロを浴びたが、「初回で、まだ先は長いという考え方で。1点なので、その後すぐ切り替えてできた。全然問題ない」と〝先発思考〟で気持ちをリセット。乱れることなく、後続を抑えた。
三回に先頭打者へ四球 ベンチで巧みに感覚を微調整
三回には先頭の速水を4球連続ボールで歩かせ、「何の意味もないフォアボールを出した。(体が前に)突っ込んでいた」と反省。無失点で切り抜けてベンチに戻ると、「数十秒目を閉じて、足を左右で前後して立って、真っすぐ立つ意識を体に覚えさせた」と感覚を微修正。そこから徐々に調子を上げ、五回は3者凡退に仕留めた。
先発型へ思考もモデルチェンジ 省エネ投球も実践
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リリーバー時代は、1点が命取りになる状況での登板が多かった。「先発と中継ぎでは、気の持ちようが違う。中継ぎで不用意にカウントを取りにいって、力感のない真っすぐを一発打たれたら終わり。あとはマウンドで修正しないといけないので、限度がある。先発は回を投げる分、イニングごとに修正はしやすい」。この日は直球の出力を「7、8割」に抑えながら、ファウルでカウントを有利にし、相手打者を追い込んでいった。5回で要した球数は64球。「体力的には全く不安はなかった。いかにストライクゾーンでうまく勝負するかと、テンポを自分で崩さずに、相手にも崩されないように投げることを意識した」と、先発型へのモデルチェンジは順調に進んでいる。
木田2軍監督も高評価 「落ち着いてストライク取れれば1軍でも十分、先発できる」
登板を見守った木田2軍監督は「長いイニングを投げたところで、普通の状態ならファームで打たれるようなピッチャーじゃない」と能力を高く評価。「基本的に思ったようにストライクが取れていたと思うので、1軍のバッター相手にも、ああやって落ち着いてストライクが取れれば十分、先発できると思う」と今後に期待した。
次回登板は未定だが、2年目右腕は「挑戦している感覚なので、それがすごく自分自身やりがいがあります。出た課題さえ、うまく消化できれば、良い方向に進む確信がある」とさらなる成長を誓った。離脱者が続出している1軍投手陣の状況を考えると、ゆっくりはしていられない。焦らず急いで、最下位に低迷するチームを救いに行く。