〝不屈の男〟札幌MF深井 試合復帰は「5月末ぐらいですかね。順調です」
■4月25日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
フルメニュー練習を消化
照準は1カ月後―。北海道コンサドーレ札幌が24日の休日を挟み、29日アウェー横浜FC戦(三ツ沢)に向けた練習を再開した。右膝前十字靱帯断裂からの復帰を目指すMF深井一希(28)もフルメニューを消化するなど、練習強度が徐々に上がってきている。5月末の実戦復帰を見据え、コンディションを整えていく。
負傷してから7カ月が経過。一歩一歩、焦ることなく歩みを進めてきた。地道なリハビリも実り、すでに対人プレーを解禁。完全復活が近いことを印象づけた。「まだゲームとかは入れないけど、(実戦復帰は)5月末ぐらいですかね。順調です」と表情は明るい。
両膝合わせて4度目の前十字靱帯断裂
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昨年9月、両膝合わせて4度目の前十字靱帯断裂を負ったが、心は折れなかった。「結構あっという間だった」とケロリ。「右足やる前からずっと左足が痛くて、そこも一緒に手術できたので、そっちの方がすごく良くなっている。ポジティブな休みだった」と、プレー中に気になっていた古傷の痛みも取り払い、不安が一掃された。
長いリハビリ生活では「頑張りすぎない」ことを意識した。「やっぱりストレスを抱えすぎると治りも遅くなる感じがしますし、何でも頑張ればいいわけじゃない。休むときは休む」とメリハリを付けることで精神的な負担を減らした。時には、同じく長期離脱していた駒井と励まし合いながら苦しい日々を乗り越えてきた。
試合を落ち着かせることのできる背番号8
現状を打破できる選手の1人だ。23日のホーム福岡戦(札幌ドーム)で前半2点リードから引き分けに持ち込まれるなど、一瞬の隙を突かれ、連続失点を喫するケースが目立っている。試合運びがうまくいっていないだけに、中盤でボールを散らしながら試合を落ち着かせることのできる背番号8は貴重な存在となる。
深井も「勝てた試合を引き分けになったり負けてしまったり、とりこぼしが多い。勝っているときの試合運びは、自分が慌てないで落ち着かせたり、セカンドボール(奪取)で貢献していければ」と復帰後のイメージを膨らませている。〝不屈の男〟がピッチに戻ってくるまで、もう少しだ。