北広島出身の女子プロゴルファー・小祝さくらが地元で始球式 ワンバウンドに「あと1、2ヤード」
エスコンFでファーストピッチデビュー
北広島市出身の女子プロゴルファー・小祝さくら(25、ニトリ)が25日、エスコンフィールド北海道で行われた日本ハム-オリックス戦で念願のファーストピッチデビューを果たした。日帰り強行軍で、28日に開幕するパナソニックレディース(千葉・浜野GC)で今季初勝利を目指す。
ゴルフと違う観客に「緊張しかなく、頭真っ白」
自らのゴルフボールの刻印と同じ「00」のユニホームでマウンドに上がった小祝。国内女子ツアーでは、見たことのないような数の観客を前に「すごい緊張って感じしかなくて。今まで練習したのとか、もう忘れちゃうぐらい結構頭真っ白になりました」。それでも、ワンバウンドでキャッチャーミットに収まり「方向だけは本当にまっすぐ行ったので、あとはちょっと1、2ヤード(足りなかった)って感じ。気をつけていたこととかも何もできず、終わってしまったので88点です」とちょっぴり悔しがった。
シーズン開幕直後の3月、小祝もWBCフィーバーに沸いた1人だ。特定のファンはなく、日本代表チーム全体を応援していたという。練習の合間に木製バットで硬式ボールを打ったり、キャッチボールをする姿をSNSにアップ。「結構前からやっていて。いつかこういう始球式に出られたらいいなって思って、ちょっと投げる練習だけはしといたんですけど」。初めてのファーストピッチに向け入念に準備をしていた。この日の両先発は、WBCでも活躍した日本ハム・伊藤大海投手(25)とオリックス・宮城大弥投手(21)。「若い選手とかもたくさん活躍しているのを見たりして、自分も刺激をもらいました」。小祝も過去に日の丸を背負って国際試合に出場した経験がある。競技は違うが、自らもファンを楽しませるプレーを心がける。
変貌遂げた故郷に「北広島とは思えない感じ」
小祝がジュニアの頃のこの周辺はほとんど何もなかった。「横の施設で歩くスキーやったり、足を運んでた場所だったので、こんな街にできるっていうのはびっくり。カフェとかいろいろ見学させてもらったけど、北広島とは思えない感じで、なんか楽しかった」。タワー11内では、乗馬シミュレーターやゴルフシミュレーションも楽しんだ。ただ、さすが天然娘。感想を聞かれると「タワー11?」と頭をかしげ、さらに野球経験はなく「球技全般が苦手」と言う国内トップクラスのプロゴルファー。いつもの小祝ワールド全開だ。
生涯獲得賞金5億円まであと少し
本業の方では、ツアーに本格参戦した2018年から、日米通算175試合連続出場を続けるタフネスぶり。2022年は2勝するなど通算8勝。4季連続で賞金シード入りを続け、黄金世代を代表する1人(コロナ禍で20-21年は1シーズンにカウント)。生涯獲得賞金はあと2000万円余りで5億円の大台に到達する。
今季の地元大会は7月のミネベアミツミレディス北海道新聞カップを皮切りに4試合が予定されている。ここまで8試合に出場して2度の3位タイが最高。「まだ前半戦なんですけど、なかなかショットだったり、パットがかみ合わないので、これからしっかり調整して、修正に励みたい。今週のパナソニックは風だったりが難しいゴルフ場なので、しっかり調子を上げていけるように頑張りたい」。早く待望の今季1勝を挙げ、真夏の〝さくら〟前線となって再び北上する。