若き中継ぎ左腕が復活の3者凡退 堀瑞輝「思ったより緊張はなかった。楽しかった」
■パ・リーグ4回戦 オリックス8-7日本ハム(4月25日、エスコンフィールド北海道)
新球場デビューでいきなり森友哉と対戦も スライダーできっちり内野ゴロへ
若きリリーフの柱が戻って来た。日本ハムの堀瑞輝投手(24)が25日、オリックス戦(エスコンフィールド)で1点ビハインドの九回に今季初登板し、1回を3者凡退に抑えた。昨季中から抱えていた左肩の炎症が長引き、昨年9月15日の同戦以来となる1軍マウンド。復帰戦で快投を見せ、「きょうはとりあえずストライクを取って、しっかりとバッターと勝負することをテーマに持っていた。フォアボールは出さなかったので、良かったかなと思います」と手応えを口にした。
堂々の新球場デビューだ。先頭でいきなり、この日2本塁打と当たっていた森と対戦。直球3球で追い込むと、そこから4球連続スライダーで一ゴロに仕留め、日本ハムファンの溜飲を下げた。続く杉本は3球三振斬り。最後はシュウィンデルを遊邪飛に打ち取った。
昨季途中から左肩に違和感 宮西の好投に励まされながら徐々に回復
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昨年5月頃から、左肩に違和感を覚えていた。治療に通って一時期、状態は回復したが、不運は重なる。同7月下旬に新型コロナ陽性判定を受け、40度近い発熱など症状が出た。「(肩の)治療に行けなくなって、また再発というか、ひどくなって、それがもう後半は一切戻ってこなかった」と、隔離生活は患部の状態に大きく影響を与えた。
それでも、諦めなかった。今オフの自主トレをともに行った宮西が、オープン戦で好投を続ける姿に「自主トレの時から試行錯誤していて、その姿を見ていたので、妥当かなと。さすがだなと思った」と励まされながら、リハビリに注力。現在は「痛みはなく投げられている。去年、チームにすごく迷惑をかけてきたので、戻るならちゃんと治してから戻りたい、中途半端にはしたくない、と思っていた」と不安なくマウンドに立てている。
しかし、鎌ケ谷での調整期間中から「納得がいかない」ことがある。この日は最速143キロにとどまった直球の球速だ。好調時は140キロ台後半が出る。「自分の感覚的にはすごくいい」としつつ、「でも、僕らとファンは見るところが違う。ファンは球速を見て、『あ、速い』って思ってくれる。やっぱりファンの方が見て、戻ったなって思うのは数字かなって思うので、そこも追い求めていきたい」。回転数やホップ成分など、さまざまなデータが揃う現代野球。それでも堀はファン目線に立ち、球速にこだわりを持っている。
久々の晴れ舞台は「思ったより緊張はなかったかな。本当に楽しかった」と心躍った。試合は日本代表左腕・宮城を打ち崩しながら、痛い逆転負け。次回登板へ向け「次はちょっと緊張感を持っていきたい」と気を引き締めた。背番号34の復活は、最下位に沈むチームの希望だ。