《荒木大輔のズバリ解投》精神的なたくましさが備わった鈴木と万波
■パ・リーグ5回戦 オリックス3ー6日本ハム(4月26日、エスコンフィールド北海道)
粘り強さが光った鈴木 アンダースローを完全に自分のものにできている
開幕から好投を続けている鈴木。この日は粘り強さも見せつけた。二回以降、毎回先頭打者をヒットで出塁させながらも得点を与えなかった。圧巻だったのは四回だ。先頭の森に二塁打され、自身の失策も続いて無死一、二塁とされた。それでも紅林を投ゴロ併殺に打ち取り、後続も断った。
2軍監督時代、彼と一緒にプレーした。当時はサイドスローで、横から放たれる150キロ級の強いボールが最大の魅力だった。器用さもあり、期待は大きかった。だが、今のようなアンダースローへの転向という発想はなかった。それを今、完全に自分のものにしている。もともとの器用さをうまく生かし、能力を最大限に発揮している。
どこかオドオドしていた2軍時代 今はど真ん中へ堂々と緩いボールを
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
短期間での、これだけの成長。アンダースローへの転向にどういう経緯があったかは分からないが、相当な努力を重ねたのは明白だ。口数が少なく、
時にどこかオドオドしたような感じもあった鈴木。今では堂々と緩いボールをど真ん中へ投げ込める。精神的なたくましさが備わった。入団時から今まで、ずっと彼を見てきたであろう加藤投手コーチに、いろいろと聞いてみたくなる。
4番万波が役割を全う 打席での落ち着きが成長の証し
打線では、4番に入った万波が確実に走者をかえした。昨年までなら、4番に名を連ねた時点で欲を出し、力が入り過ぎ、気持ちが空回してしまってもおかしくはなかった。それがない。落ち着きが出て、強振することなく、しっかりボールを捉える打撃ができていた。万波にも大きな成長を感じた。
チームは今、苦しんでいる。特に投手陣の誤算が大きい。鈴木の先発は固まるはず。前、後ろともにさらに整備が進めば、勝率は上がっていく。