万波 今季初4番で4打点 桜になぞらえ「僕らもここから開花していけたら」
■パ・リーグ5回戦 オリックス3ー6日本ハム(4月26日、エスコンフィールド北海道)
清宮&野村の不在をカバー 2二塁打4打点の荒稼ぎ
〝主役〟抜てきに発奮! 日本ハムの万波中正外野手(23)が26日、オリックス戦(エスコンフィールド)で今季初めて4番に座り、2二塁打4打点と主砲の仕事をこなした。ここまで全試合で4番を務めていた野村は休養日が与えられ欠場。クリーンアップを担っていた清宮もけがで離脱中だ。普段から仲が良いチームメートたちの不在を、バットで見事にカバーした。
「2人の穴を埋めたとかは全く思わないですけど、特に最近はクリーンアップにすごく良い形で回してくれていたので、それをきょうは僕が返すことができて良かったなと思います」
三、五回といずれも三塁線を破る2点タイムリー 新庄監督も「リプレー?」
ハプニングも目には入らなかった。2点リードで迎えた三回1死一、二塁から三塁線を破った強烈な打球は、左翼ファウルゾーンのボールボーイを襲った。かろうじて逃げたが、白球は座っていた椅子の下に置かれたグローブを入れる袋にぶつかり、その間に2者が生還。「何が起きたのか全然分からなかった。必死で走っていたので」と苦笑いで振り返った。
続く五回1死一、二塁の第3打席も、新庄監督が「リプレー?」と驚くほど、同様の打球が再びボールボーイに向かった。今度は椅子と荷物を手にフェアゾーンへ回避し、何事もなく2点を追加。この時点で点差を6点に広げ、勝利を大きく引き寄せた。
高卒同期のプレッシャーを再認識 野村の悔しそうな表情にも刺激
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仲間の表情が、頭に残っていた。この日の練習前に打順を伝えられ、野村を見た。「何かすごい、悔しそうでした。すごい印象的でした」。いつも通りを心がけて試合に臨み、結果も残したが「(4番起用は)結構びっくりしましたし、ちょっとソワソワしました」と、体はいつも以上の緊張感に包まれた。「やっぱりプレッシャーがある打順。ジェイ(野村)は本当に毎試合プレッシャーとか責任を背負ってやっていると感じた。すごいですね、あいつ」。あらためて、高卒同期で入団したライバルのすごさを知った一日だった。
ハプニングを楽しめる強心臓 主役の座を譲るつもりは皆無
それでもこれから先、チームの〝主人公〟を譲るつもりはない。昨年12月、自主トレを行ったアメリカから帰国する際、必要書類を揃えられず空港で足止めを食らった。予定の便に乗れず、言葉も通じない異国の地でたった一人、夜を明かすことになった。普通ならパニックになりそうな状況でも、万波は「めちゃくちゃ漫画でありそうな展開だなーと思って。楽しめました」と、まるでジャンプ漫画の主人公のように明るく乗り越えた。「HUNTER×HUNTER」や「ONE PIECE」などを愛し、小学生の頃から愛読する週刊少年ジャンプは「死ぬまで定期購読する」と宣言している。
ヒーローインタビューで逆襲宣言 チームとともにさらに加速
新球場で初めてお立ち台に上がった。「もちろんまだまだ上位、優勝目指して頑張っていますし、本州に比べて札幌の桜は開花が遅かったので、僕らもここから開花していけたらいいな、なんて思っています」と、チームを春の花に例えて逆襲開始を宣言した。まだ、何も諦めていない。シーズンが終わる10月に、満開の笑顔を咲かせてみせる。