札幌DF福森「勝負事なので負けたくない」 恩師・四方田監督率いる横浜FCとの対戦
■4月28日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は29日のアウェー横浜FC戦(ニッパツ、14時キックオフ)に向けて、最終調整を実施。練習後、敵地へ向かった。
DF福森晃斗(30)にとって故郷・神奈川県での試合となる。お世話になった指導者と憧れの大先輩が相手ベンチに陣取る中、自身の代名詞である左足から繰り出されるFKでチームを3試合ぶりの勝利へと導く。
「ヨモさんがディフェンスの意識を植え付けてくれた」
20年以上にわたりスタッフとして札幌のために尽力し、トップチームでも2015年途中から17年までは監督を、18年から21年まではヘッドコーチを務めた四方田修平・現横浜FC監督(50)。今節はその横浜FCが相手で注目が集まっている。
15年から札幌に在籍し、約5年半にわたって指導を受けていた福森も「札幌をJ1に上げた監督ですし、エレベーターチームと言われていた中で、耐えてJ1残留という結果に導いてくれた監督なので、本当に感謝しかないです。個人的にも自分がずっとJ1のピッチに立てているのは、ヨモさん(四方田)がディフェンスの意識を植え付けてくれたのもあると思う」と感謝の気持ちを口にする。
だが今回は敵と味方に分かれての一戦だ。「今は対戦相手の横浜FCの監督。そこは勝負事なので負けたくない」と、勝敗に関係ない感情は一切封印し、札幌の勝利だけを目指して戦いに臨む。
「中村俊輔さんの目の前でFKを決められれば」
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そして横浜FCにはもう1人、深い縁がある人物がコーチとして在籍している。桐光学園高(神奈川)の先輩で、福森と同じく左足の正確かつ強力なキックでワールドクラスの活躍を見せた元日本代表の中村俊輔コーチ(44)だ。「ずっと憧れていますし、本当に雲の上の存在。いつまでも尊敬する気持ち、目指すところだというのは変わらないです」と思いを語る。「中村俊輔さんの目の前でFKを決められれば一番かなと思います」と、自身の存在を強く印象づけたいところだ。
家族も観戦「いい姿を見せられるよう」
故郷での一戦ということで家族が観戦のため来場する。「見に来てくれるそうなので、いい姿を見せられるようしっかりやりたい」とモチベーションも高まっている。「アウェーですけど、上に行くためには絶対に勝たなければいけない試合。あと1日あるので、いい準備をして、明日のキックオフの時にしっかりと100%の力を出せるようにやっていきたい」と決戦のときを待ち構える。
四方田監督が札幌を率いていた時代で印象に残っている試合を尋ねると、福森の直接FK2発でチームを劇的なドローに導いた17年7月8日の大宮戦(NACK5、2△2)を挙げた。その試合から札幌は上昇気流に乗り、見事に16年ぶりのJ1残留を達成。J1定着への礎を築くきっかけとなった一戦だった。あの日、札幌を救った福森の左足で、四方田監督率いる横浜FCを粉砕し、再びチームを悪い流れから救い出す。