野村 1番で不振脱出 4号ソロで勝利に貢献
■パ・リーグ4回戦 ソフトバンク1ー3日本ハム(4月29日、エスコンフィールド北海道)
今季初の1番で2安打1打点 試合前まで15打席ノーヒットのトンネル脱出
一発回答だ。休養日を除き、開幕からスタメン4番が指定席だった日本ハムの野村佑希内野手(22)が29日、エスコンフィールド北海道で行われたソフトバンク戦で今季初めて1番に入り、奮起した。四回に12試合ぶりとなる第4号ソロ弾を放つなど、2安打1打点。不振に陥り〝4番剝奪〟の荒療治に燃えた男が、復活ののろしを上げた。
試合前時点の打率は・214で、15打席ヒットが出ていなかった。1番起用を伝えられると「ドシッと4番に据えられないのは、だいぶ迷惑をかけているから」とあらためて自覚した。二回に合わせたようなスイングで右前に運び、トンネルを脱出すると、四回には、2死から東浜の直球を強振。豪快に右翼席へ突き刺した。顔つきはクールなままだったが、三塁ベースを回って右拳をグッと握った。
新庄流の勘ピューター炸裂 ソフトバンク近藤の助言も効いた
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
新庄監督の勘ピューターがさえた。前夜は7番への降格をイメージしていたが、朝、球場に着いた時にひらめいたという。「調子が悪いと分かっていて、打順を下げて気持ちを下げるより、打順を上げて調子を上げさせた方がいい」。独自理論に基づき、1番を選択。本人への指令は「ポテンヒットと内野安打を目指せ!」だった。
タイミングの取り方で悩んでいた野村は、試行錯誤していた。首脳陣の指導に加え、昨季までお世話になった近藤の助言も参考にした。リフレッシュの意図もあった打順で会心の一打が飛び出し「真っすぐをしっかり振ろうという中で、良い結果になったので良かった」と安堵した。
不動の4番へ誓い 「どんな成績でも(4番で)使ってもらえる選手を目指す」
4番へのこだわりは間違いなく、ある。だからこそ「打っていないので。自分が悪いので、それ(悔しさ)は特にないです。どんな成績でも(4番で)使ってもらえるような選手を目指したい」と静かに闘志をたぎらせた。ふがいない自分への憤りと、主砲のプライドが入り交じる。シーズン開幕24試合目で突きつけられた打順変更は、未来につながる試練だ。