新たな一歩を刻む2校 道科学大高&旭川志峯 開幕迫る高校野球春季支部予選
道科学大高 10日に移転後初の公式戦
4月から手稲区に校舎を移した北海道科学大高が、新たな歴史を紡いでいく。9日から始まる高校野球の春季札幌支部予選1回戦(10日、野幌)で札幌北斗と札幌東豊の連合チームと対戦する。
手稲の地で再スタートを切った。例年より雪解けが早かったこともあり、3月中旬から隣接するグラウンドで練習を開始した。校舎が豊平区中の島だった昨年までは授業が終わると、南区真駒内駒丘にあるグラウンドまでバス移動。練習開始まで約40分を費やしていた。渡辺誉人監督(25)は「学校から近くなったので、それはすごく良いこと」と、すぐ練習に移れることを喜んだ。
収納場所小さく打撃マシンいまだ搬入できず
その一方で、校舎移転にあたっての慌ただしさはまだ続いている。道具などを収納する小屋が予想以上に小さく、打撃マシンは搬入できていない。フリー打撃では選手たちがローテーションで打撃投手を務めるなど苦心している。指揮官は「道具が足りない。雪が解けてからじゃないと準備できないものもある」と、もどかしさを感じているようだ。
校舎移転1年目を華々しい年とするべく、冬の間はバットを振り込むことに重点を置いた。渡辺監督は「振る力がついて、打球も飛ぶようになってきた」と成果を実感。3月下旬からの函館遠征は4勝1分け、仕上がりに手応えを感じている。昨年の春季支部予選で無安打無得点投球を達成した竹田一翔(いっさ)投手(3年)、糸川翼投手(3年)の左右エースを中心とした野球で全道大会進出を目指す。
とわの森にリベンジしたい
そして、今大会は昨秋の札幌支部予選準決勝で敗れたとわの森三愛と同じブロックに入った。赤嶺聡主将(3年)は「とわの森とは順調にいけば準決勝で当たる。そこでリベンジをしたい。新しくなって、また伝統を一からつくっていきたい」と闘志を燃やした。38人の部員と3人のマネジャーの〝1期生〟が、新たな一歩を踏み出す。
旭川志峯 9日に新校名初戦
旭川大高から校名変更した旭川志峯。1日に春季旭川支部予選の組み合わせが行われ、9日の初戦2回戦(旭川スタルヒン)で旭川永嶺と対戦することが決まった。
旭川大が公立化し旭川市立大になったことで、今年4月に校名が変更になった。昨秋から指揮を取っている山本博幸監督(43)は「気持ち的には特に変わらないですね」とブレることはない。前監督の端場雅治部長(53)の築いてきた「旭大高」の伝統を踏襲しつつ、さらなるレベルアップを図る。
昨年夏の甲子園出場校
昨秋は支部予選決勝で旭川明成に惜敗。昨夏の甲子園に出場したことで大会までの準備期間が少なく、チームとしてまとまりを欠いた。悔しさを糧に一冬越したが、指揮官は「まだまだですね。責任を感じているのはエースの伊知地(晴、3年)だけ。いろんな言い訳をつけていたと思う」と一蹴する。選手たちの私生活もつぶさにチェックしながら成長を促す。
一つの変革にも取り組んでいる。4月26日、雨が降り注いでいたこともあり、練習を休みにした。これは「端場先生と一緒にやってきて初めてです。30年間、休みはなかった」と山本監督。今後も選手の疲労度合いに合わせて、オフをつくっていく。全ては夏を制覇するための〝布石〟だ。