3連敗中の伊藤 2日の西武戦に背水先発 「本当にラストチャンス」
ルーティン変更で臨む今季5度目の先発 「悔いの残らないように」
もがいて苦しい現状を打破する。日本ハムの伊藤大海投手(25)が2日、ベルーナドームで行われる西武戦で先発する。今季は4戦未勝利で、3連敗中。WBC制覇にも貢献した侍右腕は、背水の覚悟を携え、マウンドに上がる。
4月30日まで、3日連続でエスコンフィールド北海道のブルペンに入った。「シーズン中は絶対にない」と断言する異例の〝3連投〟。抱える悩みは、それほど深刻だった。「コンディション的には、うまく調整して火曜日(登板日)を迎えるべきですけど、今はそんなことを言っていられない。やるだけやって悔いの残らないように」とルーティンを大幅に崩した。
フォーム矯正に専念 栗山前監督や元チームメートからもアドバイス
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3戦連続で打ち込まれ、防御率は5・82。多少のリスクを負ってでも、復調のきっかけをつかみたかった。持ち球は豊富だが、カーブと直球に絞って投げ込み「ピッチングの基本を見つめ直す時間になった」と振り返った。具体的には体の開きが早くなっていると自覚し、コーチ陣の熱心なアドバイスを受けながら、フォームの矯正に時間を割いた。
4月29日には一緒に表彰を受けた侍ジャパンの栗山監督から、温かい励ましの言葉をかけられた。また、昨年までバッテリーを組む機会が多かった元チームメートの石川亮(オリックス)と対話した際、敵味方の垣根を越え、投球のヒントをもらった。親身になって手をさしのべてくれる恩師や先輩がいる。
奮起促す新庄監督 伊藤「自分自身との戦いでもある」
前回25日のオリックス戦(エスコン)でKOされ、新庄監督は「次、こういう投球だったら(先発ローテを外すことも)考えますよ」と奮起を促した。
当然、伊藤も置かれた状況を理解している。「本当にラストチャンスだと思うし、ここでつかめるか、つかめないのか、自分自身との戦いでもある」と受け止め「気張らずに、自分らしく楽しんで、その結果がどうであれ、受け入れられるように準備していきたい」と言葉をつないだ。ファイターズの命運を背負う男の真価が今、問われている。