《鶴岡慎也のツルのひと声》悪い時にどうするか。先発投手にとって重要なスキル
■パ・リーグ5回戦 日本ハム1ー3西武(5月3日、ベルーナドーム)
負けた限りは反省も必要 ただ、鈴木は試合をつくる感覚をつかめた
先発した鈴木。正直、状態は良くなかった。ただ、そんな中でもゲームを壊さなかったことに大きな意味がある。負けたので自信になるとは言えない。だが、悪い時でも試合をつくる感覚はつかめたはずだ。良い時に勝つのは当たり前。悪い時にどうするか。そのスキルの方が先発投手にとっては重要だ。
では、何が悪かったのか。当然、反省も必要だ。右打者へのインコース。この日はストライクゾーンに投げきれていなかった。そこでファウルさせたり、詰まらせたりするのが一つの持ち味だが、ボールになるシーンが多かった。スライダーの軌道も自身の中でつかみきれず、苦しんでいたように見えた。
要所では痛打を阻止 これから長く活躍していく投手。
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それでもピンチの場面では〝間違い〟を犯さなかった。四回と五回、いずれも内野ゴロの間に生還を許したが、痛打は阻止した。決めにきている相手バッターをスライダーで凡打させた。試合をつくる能力に秀でているのは確か。また、高めの直球は適材適所でしっかりと使えていた。
あとは次の登板までの1週間をどう活用するか。これから長く活躍していく投手。トレーニングやリカバリーの方法、メカニックの修正、そして休養。自分のベストを早く見つけてもらいたい。
チャンスメークはできている打線 好機では打席前の頭の整理が求められる
打線に関しては、チャンスはつくれている。あとは決められるか。長いシーズン、こういう日もあるが、ただ打てなかったで終わらせてはいけない。
相手も一流のピッチャー。そうそう簡単なボールは来ない。好機では特に、打席に入る前の頭の整理が重要になる。外野フライを狙うのか、投手の足元へはじき返すのか。そして何を狙うのか。いま一度、イメージを整え、今後に生かしてもらいたい