ゴルフ
2023/05/08 11:30

〝プラチナ世代〟の美人ゴルファー政田夢乃 今年こそプロテスト合格へ5度目の正直

北海道に帰省中の政田夢乃は家族とラウンドを回ってリフレッシュ。今年の目標へ英気を養った(撮影・小田岳史)

中学、高校時代に全国優勝して一躍注目選手に

 札幌市出身の女子ゴルファー・政田夢乃(22)が、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテスト(7月19日~11月3日)に5度目の挑戦をする。中学・高校時代に全国優勝するなどジュニアの頃から期待されていたが、初挑戦の2019年は最終テストで1打足りず不合格となるなど難関突破に苦しんできた。2021年にはアマチュア資格を返上し、JLPGAツアー外競技の「マイナビネクストヒロインツアー」に参戦。今年4月6、7日に行われた同ツアー開幕戦で1年半ぶりの通算2勝目をマークし、今年こそ合格して〝プラチナ世代〟のライバルたちと同じ舞台に立つことを誓っている。

今年最初のツアーで優勝 帰省でしっかりリフレッシュ

 幸先の良いシーズンスタートを切り、久しぶりに地元に帰省した。「やっぱり北海道が一番」という政田は、キツネの耳をつけて新球場で日本ハム戦を観戦したり、家族とラウンドを回って楽しんだり、たっぷりとリフレッシュしながら、しっかりと今年の目標へ英気を養った。

 プロテストは今回で5度目。昨年度も最終テストに進み、残り1日の時点で14位タイと合格圏内につけていたが、最後は2打届かなかった。ただ、最終に進んだことで権利を掴み、今年の1次は免除。2次(9月19日~10月13日)からの挑戦となる。

最終テストは初出場で涙をのんだ因縁の地 まずは今月のツアー2戦目で…

 「いっつも最終のギリギリぐらいまで行って、落ちたりして。ここで辞めるというより、悔しい気持ちが起きて、また来年チャレンジして絶対受かりたいって。家族の支えもあって受けられているし」。2次テストをクリアすれば、最後の舞台は初出場で涙をのんだ19年のJFE瀬戸内海GC(岡山県)と同じ舞台だ。「リベンジも兼ねて」と今年は奮い立ち、プロテスト合格の場所として喜びの思い出にアップデートするつもりだ。

 21年に北海道から千葉に拠点を移し、1人暮らしを始めた。アマ資格を返上し、JLPGAツアー外の大会に出場しながら賞金を稼ぐ毎日を送っている。「アイアンショットが得意なので、セカンドでたくさんピンに近づけて、バーディーチャンスを増やすのが私のプレースタイル」。昨季は総合2位。今年5月11日に開幕する第2戦へも「勝ちにこだわっていきたい」と、連勝でさらなる上昇気流に乗っていく。

プロでもアマでもない微妙な立ち位置も 周囲の支えがあってこそ

 国内女子ゴルフでプロといえば、JLPGAの主催及び公認大会に出場する「トーナメントプロ」を指すことが多い。以前はプロテストに合格していなくても、翌年の優先出場権を懸けて争われる予選会(QT)で上位に入れば、単年度登録プロとして出場することができたが、21年からはJLPGA正会員と当該年のプロテスト合格者にしかQTへの出場は許されていない。

 そういう意味では政田は賞金を稼ぐという立派なプロ活動をしていながらJLPGAの正会員ではなく、また、アマチュアでもないという微妙な立ち位置にいる。それでも「うちはサラリーマンの普通の家庭なので、お金に関しても、応援してくれるスポンサーさんに関しても、それを元に頑張れるし、そのまま応援し続けてくれている人がいっぱいいるので、その気持ちが一番大きい」と、周囲から受けているサポートに感謝しながら、しっかりと自らの行くべき道を歩んでいる。

プラチナ世代と呼ばれ 焦りを感じた時期も

 同世代は西村優菜(22)や古江彩佳(22)といった国内ツアー優勝経験のある実力者が多く、プラチナ世代と呼ばれる。政田もかつては札幌新川西中2年と北海学園札幌高2年の時に全国優勝を経験した。

 社会人となり同世代が華やかな舞台で活躍している姿に焦りを感じた時期もあったが、「やっぱり自分のペースもあるので、大事に一年一年やっていきたい気持ちが大きくなりました。もっとレベルアップしなきゃいけないという気持ちはありつつ、頑張ったら全然いけるんじゃないかという気持ちもある」と、同世代に刺激を受けながらもマイペースを貫き、少しずつ着実に力をつけてきた。

親代わりにもなってくれた恩師が昨年急逝

同じ夢を見てくれた恩師のためにも

 昨年7月末、母校の北海学園札幌高ゴルフ部の斉藤孝男顧問(享年63)が急逝した。知らせを聞いた政田は急きょ帰道し、告別式に参列した。「一番っていうぐらいにかわいがってもらっていたので、恩返しできなくて、本当に申し訳ない感じです」。高校時代、両親が仕事の都合で大会などに帯同できない時には代わりに付き添ってもらった。同校2年時の12月には、沖縄への修学旅行と、沖縄で行われた全国高校選抜マッチプレー選手権が重なった時に「(斉藤)孝男先生と2人で修学旅行的な感じで、沖縄ワールドに行って、写真を撮りました」と、良い思い出がたくさん残っている。政田の将来を楽しみにしていた恩師のためにも、次こそ必ずプロテストの壁をこじ開けてみせる。


■プロフィール 政田 夢乃(まさだ・ゆめの) 2000年7月28日、札幌市生まれ。父の影響で3歳でゴルフクラブを握った。JLPGAのトーナメントには13年の札幌新川西中1年生の時にニトリレディスに主催者推薦で初出場。同じく20年11月の伊藤園レディスでは予選を突破して45位タイに入った。21年にアマチュア資格を返上。同年の「マイナビネクストヒロインゴルフツアー」第6戦で初優勝し、今年4月に2勝目を挙げた。ドライバーの飛距離は240ヤード。スポンサーはACN、トーガシ、なないろ生命、エントリー。身長は154センチ。家族は両親と弟。

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