札幌DF馬場 タフな3連戦に「自分が良いスパイスになれれば」育成年代からのライバル初対戦へ闘志
■5月4日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
最近は出場時間減少も ヴェルディ時代から因縁のFC東京戦を前にモチベーション急上昇
北海道コンサドーレ札幌は午前練習を実施。前日行われた鹿島戦の出場メンバーはリカバリーメニュー、ほかの選手は7対5のパスゲームや6対6のミニゲームを行い、5月6日のFC東京戦(札幌ドーム)に向けて調整した。
ゴールデンウイーク3連戦の最終戦となるFC東京戦。その一戦にただならぬ闘志を燃やしているのが、DF馬場晴也(21)だ。自身にとって因縁の相手であるFC東京を打倒すべく、豊富な運動量でチームを支え、もり立てていくつもりだ。
今季札幌に加入し、リーグ戦には開幕から7試合連続で出場していたが、4月1日に行われたホーム川崎戦(札幌ドーム、3●4)の途中出場で67分間プレーした後は、プレー時間が10分以下にとどまっている。
ケガ人が続々復帰して立ち位置変化 出場機会得るために攻撃面を重点的に強化
この現状について、「ケガ人が復帰して、ほぼ全員戻ってきた中で、練習でいろいろと違いを出さないとスタメンであったり、サブだとしても1番手には食い込んでいけない。そこは自分でも危機感を持って練習で取り組んでいます」と口にする。
状況を打開するために「攻撃の部分でプラスになれるように。今はそこを重点的に意識してやっています」と、ボランチでの起用が多い中、守備面だけではなく攻撃面でもチームに貢献できるよう、日々鍛錬を積んでいる。
勝てば順位が入れ替わる一戦は 馬場にとっては より燃えるシチュエーションに
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対戦相手のFC東京は現在勝ち点15の9位。勝ち点13の札幌にとっては、勝利すれば順位が入れ替わる状況であるだけに気合が入るが、馬場にとってはまた違ったモチベーションを持って臨む一戦となる。
「相手がFC東京ということで、東京ヴェルディにいた自分としては、燃えるものが他のチームとは全然違う。相手に対する思いは人一倍強いので、より出たい気持ちは強いです」
中学生年代からトップチームまで東京Vでプレーしてきただけに、同じ東京を本拠地とするJクラブへのライバル心は強い。「自分がジュニアユースの時はFC東京がJ1で、東京VがJ2という世間のイメージがあって悔しかった。その分、ユース年代の試合ではどのチームよりも負けたくない気持ちがあったので、Jの舞台で戦えるというのは楽しみ。東京Vのサポーターや、一緒にやってきた選手にもいい報告ができるように、必ず勝利を目指したい」。プロ入り後初となる因縁の相手との対戦に向け、心身の準備は万端だ。
同世代のDFバングーナガンデ、木村は 小学生、中学生時代からしのぎを削った仲
そのFC東京には、プロ入り前からしのぎを削ってきた同級生が在籍している。共に中学生年代からFC東京のアカデミー組織でプレーし、パリ五輪世代の代表候補にも名を連ねるDFバングーナガンデ佳史扶(21)とDF木村誠二(21)だ。
「佳史扶とは小学校のときから対戦していた。A代表にも選ばれて、自分より上のカテゴリーでやれているというのには悔しさがありますし、それを晴らすいい機会だと思います。誠二とは結構、仲が良くて、最近、俺と(西野)奨太と3人でオンラインゲームをすることがあるので、よりいっそう燃えるものがあって楽しみです」とその関係性を明かす。
パリ五輪代表候補では注目のMF松木玖生とも切磋琢磨 直接対決で猛アピールだ
「(松木)玖生とも代表でやってますし、近い年代の人も多い。パリ五輪に向けてというのも大事なので、燃えています」。自身の目標としているパリ五輪代表への切符をつかみ取るためにも、直接対決の舞台で猛アピールしたいところだ。
北海道の生活にも慣れてきたが この時期の気温差には苦戦 「初めて練習で半袖着れた」
熊本キャンプ終了後から札幌での本格的な生活を始めて、約2カ月が経過。ジンギスカンを食べに行ったり、狸小路や札幌駅周辺へ買い物に行くなど、日々の生活を楽しんでいる。そんな馬場の目下の悩みが「寒いときと暑いときの差が激しくて。起きて外を見たときに、窓が二重だから、開けて気温を確認するのもめんどくさいので、結構、服を迷います」。
この日の札幌は最高気温24度と初夏を思わせる陽気であったが、一昨日の最高気温は15度と春先の北海道らしい気温の乱高下に頭を悩ませることも。「今日、初めて練習で半袖を着れたので、うれしいことが1個増えた感じです」。移りゆく四季を肌で感じながら、徐々に北海道の地に慣れ親しんでいこうとしている。
GW3連勝の目標絶たれるも「引きずらないように。全員で勝利に向かって戦うのが大事」
「3連戦最後の試合。チームとして3連勝しようという目標があった中で、鹿島戦での悔しい敗戦がありましたが、引きずらないように。準備期間は短いですけど、チーム全員で勝利に向かって戦うのが一番大事。そこに向けて自分が良いスパイスになれればいい」と、FC東京撃破に向けて意気込みを見せる。
中2日という短い間隔で試合に臨むチームにとって、高い機動力で攻守にアグレッシブさを発揮する馬場の存在は必ず力になるはずだ。