先発初勝利の北山 教授の愛称を持つ2年目右腕 月1回の楽しみとは
■パ・リーグ6回戦 日本ハム1ー0西武(5月4日、ベルーナドーム)
昨季開幕戦以来の先発マウンドで躍動 2カード連続勝ち越し引き寄せた
またしても救世主が現れた。日本ハムの北山亘基投手(24)が4日、西武戦(ベルーナドーム)で今季初先発し、6回無安打無失点。チーム事情によりスターターに転向した2年目右腕が、昨季の開幕戦以来の先発で初勝利を挙げ、チームを2カード連続の勝ち越しに導いた。
久しぶりに上がった1軍の真っさらなマウンド。「すごく緊張したので、そこまで楽しむ余裕はなかった」と振り返ったが、終始落ち着いた表情だった。力強い真っすぐにスライダーといった変化球を織り交ぜ、六回までノーヒット投球。先発に本格転向後(2軍戦を含めて)3試合目で、球数80球がメドだったこともあり、プロ入り後最多の75球を投げて六回で降板した。
六回ノーノーは一球一球の積み重ね 「中継ぎに負担をかけないように」
「1イニング、1球ずつという意識で投げていたので、たまたま、終わってみたらそう(無安打)だった。そこは全く意識しなかったです」と動じず。「中継ぎやっていたので中継ぎの気持ちも分かる。負担をかけないようにと思って投げました」と必死に腕を振った。
野球に真摯で研究熱心な〝教授〟 月1の楽しみはこってりラーメン
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研究熱心で真面目な性格から、愛称は「教授」。オフは単身渡米して「ドライブライン」で動作解析を行い、座禅修行にも出向いた。野球と真剣に向き合い、とことん突き詰めるタイプだが、「基本は真面目ですけど、要所要所うまく気を抜いたり、うまく遊んだりは人並みにあります」と言う。
月1回の楽しみは、意外にもこってり系の『二郎系ラーメン』だ。昨年からチーム内で「二郎会」が発足。グループLINEがあり、上沢が会長を務め、北山、鈴木が所属している。「週1で食べると、体おかしくなるので息抜き程度に。シーズン中のオフの日にちょっと食べに行こうと、上沢さんとは2人で何回も行っています」と、はにかむ。
会長の上沢が、遠征先のお店をリサーチ。「東京が一番多いです。上沢さんはメリハリがうまい人なので、見習いたい」。先輩がごちそうしてくれる極太のちぢれ麺に野菜が乗ったラーメンが、北山のパワー源になっている。
首脳陣も先発として高評価 新庄監督「完璧なピッチングでしたね」
先発転向初戦で、適性を十分に発揮した。大きな期待を寄せる新庄監督は「完璧なピッチングでしたね。あとワンテンポ半、テンポが速かったら最高でしたね」と評価。建山投手コーチは「先発事情からして中6日とかでいくと思います」と明かし、次回登板は11日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)が予想される。
大志を抱く2年目右腕 「ファイターズの大黒柱になりたい」
京産大時代は先発完投型として活躍し、プロでも理想として掲げている。「ファイターズの大黒柱になりたいです。今年はそれを言えるほどの実力はないけれど、言えるような実績を残したいです」。高い志を胸に秘め、北山が新たな道を歩み出した。
■北山について建山投手コーチ
「(六回での交代は)全く迷いなく。思っていた以上というか、期待以上のピッチングをしてくれました。リリーフになると、力んでボールが浮くことが多かった。先発で力が抜けると、ストライク先行できる。そのあたりが良かった」