札幌DF田中駿 リーグ11戦フル出場、公式戦全試合出場 札幌の鉄人がゴール前を支配する
■5月5日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は6日のホームFC東京戦(札幌ドーム、14時キックオフ)に向けて、最終調整を行った。
GW8日間で3試合の過密日程
8日間で3試合を戦うゴールデンウイーク連戦の最終戦。過密日程でコンディション維持が難しい中、頼りになるのがチームで唯一今季公式戦全試合に出場している〝札幌の鉄人〟DF田中駿汰(25)だ。本職の守備だけではなく攻撃面でも特長を発揮している攻撃的ストッパーが、3連戦を白星で締めくくるべくピッチ上で躍動を見せる。
「中2日はやっぱりきつい」
好天に恵まれた祝日、宮の沢に大勢のサポーターが練習見学に訪れた。過密日程を考慮して軽めの調整となったが、その中で田中駿は時折笑顔を見せながら順調にメニューを消化した。「中2日はやっぱりきついけど、思ったよりは大丈夫。コンディション的には特に問題なくやれると思います」と頼もしい言葉を発した。
昨季リーグ戦出場32試合、出場時間2847分
昨季のリーグ戦で記録した出場32試合、出場時間2847分はいずれもチームトップ。今季もここまでのリーグ戦全11試合でフル出場しているのは同期のMF金子拓郎(25)と田中駿の2人だけ。ルヴァン杯も含めた公式戦全15試合に出場しているのは田中駿のみで、前年と変わらぬタフネスぶりを発揮している。
2月入籍「近くで支えてくれる人の存在は大きい」
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その頑強さを維持しているのが今年2月に入籍した妻の存在だ。「一番近くで支えてくれる人がいるので、その存在はすごく大きい。今の自分のコンディションがいいのに大きく関わってくれていると思います」。暑いときには食べやすい献立にしてくれるなど、食事を含めた日々の生活での感謝を口にする。妻の力を借りながら全試合フル出場を目指して奮闘する。
8試合ぶり完封勝利目指す
開幕から3バックの右を定位置としているが、今季はここまで完封勝ちは3月12日の横浜M戦(札幌ドーム、2〇0)のみ。引き分け試合を含めても2試合のみで、総失点は21を数える。「失点が多いのは改善しなければいけないし、改善できる部分と思う。チーム全体の問題ですけど、まずはDF陣である僕たちが1対1で最後までやらせないところにもっとこだわってやれれば、失点は減っていくと思うので改善の余地はあるかなと思っています」。対戦相手のFC東京は前線に強力なタレント陣を擁しているが、守備の意識を高く持って8試合ぶりの完封勝利をつかみ取る。
すでにキャリアハイの2得点マーク
そして今季は攻撃面でも見どころを多くつくっており、チーム4位タイの2得点をマーク。ルーキーイヤーに記録したキャリアハイに早くも肩を並べ、「すごくテンポ良く取れている」と口にする。特に4月29日の横浜FC戦(ニッパツ、4〇1)でのゴールは、2点リードした後半アディショナルタイムであったにもかかわらず、3バックの一角が相手ゴール前まで上がっていって押し込んだ驚くべきプレーだった。「むしろ(前線に)出て行けという風にミシャさんが常に言っているので、求められていることができたかな。拓郎のドリブルが相手に警戒されて2人目のDFのカバーが早いので、自分が出て行く回数を増やしてスペースを空けたり手助けができれば」。同期コンビで右サイドを制圧し、リーグ3位の総得点20からさらなる上積みに貢献する。
「しっかり勝って、次の試合に繋げられるように」
「(チーム目標の)3連勝はできなかったけど、最後はしっかり勝って、そこからまた次の試合にいい形で繋げられるようにやっていきたい」と、ゴールデンウイーク3連戦の最終戦に向けての意気込みを語る。ルーキーイヤーから毎年リーグ戦30試合以上の出場を果たしている札幌の鉄人が、FC東京戦でも自陣と敵陣両方のゴール前で存在感を見せつける。