今季6人からスタートのBTOP北海道が天皇杯代表へ 磯部監督「信じて来てくれた選手たちに感謝しかない」
■北海道サッカー選手権大会兼天皇杯全日本サッカー選手権北海道大会(5日、札幌サッカーアミューズメントパーク)
▽代表決定戦 BTOP北海道 1―0 北海道十勝スカイアース
21日、厚別で山形大医学部と1回戦
泥臭く最後まで走り抜いた。BTOP北海道(旧BTOPサンクくりやま)がライバル・北海道十勝スカイアースに競り勝ち、天皇杯の出場権を手に入れた。後半38分にMF澤田航汰(22)がPKを沈め、虎の子の1点を守り切った。JFLを逃した昨季から選手が大幅に入れ替わった。今季就任した磯部和彦監督(28)が構築した〝新生BTOP〟で結果を出した。21日に札幌厚別公園競技場で山形大医学部と天皇杯1回戦に臨む。
劣勢でも集中力は切れなかった。元北海道コンサドーレ札幌の十勝スカイアースMF中原彰吾(28)を中心とした攻撃に押し込まれる場面が目立った。さらに後半9分には、J2金沢でのプレー経験があるMF本塚聖也(25)が左腹斜筋の痛みを訴え途中交代。指揮官も「ちょっと苦しい時間帯が出てしまった」と言う展開だったが、闘志だけは衰えなかった。
後半38分、MF澤田のPKが決勝点
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そして後半38分、ペナルティーエリア内で得たPKを、澤田が落ち着いて決めた。「高校も大学もキッカーを務めてきたので、自信を持って蹴ることができた」と胸を張った。今季から加入した大卒ルーキーは「今日のPKのシーンもそうですけど、先輩方がすごい伸び伸びとプレーさせてくれる」と感謝の気持ちを述べた。
前FC徳島監督「6人はびっくり」
昨年、FC徳島で指揮を取っていた磯部監督は、BTOPの知人を通じてオファーを受けたそう。けが人もいたことからプレーできるのは6人の苦難のスタート。「6人は初めての経験でびっくりした」と話すが、自ら声を掛けるなどして選手を集めた。この日得点をマークした澤田もその1人。「信じて来てくれた選手たちなので、本当に感謝しかない」と頭を下げた。
元札幌DF濱「監督の情熱が結果につながっている」
磯部監督は人間力の育成に力を入れる。「子供たちがたくさん見に来ている中で、判定がうまくいかなかったから文句を言っていいのか、態度で出していいのか。そのベースづくりだけを始めている段階」。元北海道コンサドーレ札幌で今季から加入したDF濱大耀主将(24)は「監督は情熱を持って、ちゃんと人と接している。そういうところが試合の結果につながっているんだなっていう感じはします。未来に期待ができるチームです」と力を込めた。
2回戦はJ1湘南戦
練習の強度も段違いだ。昨年まではパス練習やコンビネーションなどに時間を割いていたが、今年は1対1で戦うことを重視。昨年のチームも知る本塚は「練習からもうバチバチです」と、日々しのぎを削りながら闘志を植え付けている。矢野哲也社長(38)も「本当に新しく作ってくれた。今日の試合でも審判に対して不満を言ったりは全くなかった」と称賛した。天皇杯1回戦を勝ち上がれば、J1湘南が待ち受けている。下克上へ向けて、さらに爪を研いでいく。
■敗戦した北海道十勝スカイアースのMF中原彰吾 「押し込めた時間帯もありましたけど、最後決めきるところとか、チームとして上げていかないといけないところが多く見えたと思う。これをいい薬にしてやっていきたい」