■Ｊ１第１２節　札幌５－１ＦＣ東京（６日、札幌ドーム）

　北海道コンサドーレ札幌のＧＫ菅野孝憲が、３９歳初戦を見事に白星で飾った。

試合後、チャントの大合唱

　試合終了後の選手あいさつの際、ゴール裏の札幌サポーターから菅野のチャント（応援歌）の大合唱が贈られ、スタジアムＤＪからの「誕生日おめでとう！」のアナウンスで場内から大きな拍手が沸き起こった。３日に誕生日を迎えた菅野を祝福する幸せな空気が札幌ドーム中に充満した。

「僕の人生の中でもすごくいい誕生日になった。サポーターに感謝している」

　「誕生日を祝ってくれたことを、この場を借りてお礼を言っておいてほしい」と菅野本人から道新スポーツに依頼。そのメッセージは「本当にめちゃくちゃいい誕生日になったなと。僕の人生の中でもすごくいい誕生日になったという意味でサポーターに感謝しているし、（勝利を）届けてくれた仲間にもすごく感謝しています」。

　この試合のシュート数は、札幌１７本に対しＦＣ東京１３本と大きな差はない。それにもかかわらず５－１になったのは、９０分間菅野がＦＣ東京の前に立ちはだかったからだ。相手選手と１対１の場面で幾度となく好セーブを見せ、抜群の攻撃力を発揮したチームを、最後方から支え続けた。

「集中してたけど、０で抑えられなかった」

　それでも「チャンスを１００％ぐらい決めてくれて、これだけ点を取ってくれる試合だったので、守備陣としてもより集中力を保って、ハーフタイムでも無失点にこだわってやっていこうとは言っていたんですけど、ちょっと隙を突かれて。みんなでしゃべりながら、コンパクトに保つように集中はしてたんですけど、０で抑えられなかったですね」と反省を忘れない。

「動けなくなったら引退」

　「動けなくなったら引退の時だと思うので。そんなに先は長くないとは思いますけど、本当に幸せを感じながら、今日が最後になるという覚悟で毎日過ごせている。そういう意味ではすごく幸せだなと思います」と語る菅野だが、４０代を目前にしてもなおパフォーマンスに衰えは感じられない。円熟味を増し続けている菅野のプレーに今後も注目だ。