CS完全消滅 3年連続Bクラス確定
■日本ハム0ー3オリックス(15日、札幌ドーム)
ついに終戦…。日本ハムは15日、札幌ドームで行われた首位・オリックスとの試合に0―3で敗れた。シーズン11試合を残し、クライマックス・シリーズ(CS)進出の可能性が完全消滅した。先発の立野和明投手(23)は四回に先制3ランを浴びるなど今季2敗目を喫し、打線は2日続けて無得点。今季18度目の0封負けで、3年連続のBクラスが確定した。
九回2死一塁、高浜が左飛に倒れ、あっけなく終戦を迎えた。最後を見届けた栗山監督は、いつものようにグラウンドに一礼し、ベンチ裏へと引き揚げた。
貧打に泣いた今季を象徴する終幕だった。13日西武戦の八回から19イニング連続無得点。2試合連続となる今季18度目の0封負けを喫した。
CSに進むことはできず、3年連続Bクラスが確定。開幕3戦目で4位に転落後、一度もAクラスに浮上することはできなかった。栗山監督は「本当に責任を感じるし、応援していただいた方に本当にすみませんという言葉しかない」と頭を下げた。
昨季からの課題は「長打力と得点力不足」と明確だった。パワーのある外国人選手を補強したいところだったが、昨オフはコロナ禍で、米球界の移籍市場が停滞。大物の去就も不透明な状況が続き、積極的な補強に乗り出すことができなかった。
さらに、王柏融以外の外国人選手が入国できたのはシーズン突入後。2週間の隔離期間もあり、チームに合流したのは4月中旬だった。下位に低迷していたことにより“ぶっつけ”に近い形で1軍起用するしかなかった。バーヘイゲンやアーリンといった先発陣は球数を多くは投げられず、R・ロドリゲスも日本野球に適応する時間がなかった。状況は好転しないまま、時間だけが経過していった。
一つの時代が終わる。集大成として臨んだ就任10年目のシーズン、低迷した責任を取り、栗山監督は大役を退く意向に変わりはない。2度のリーグ優勝を果たし、2016年には日本一に導くなど、栗山政権で多くの偉業をもたらした。球団は長くチームを支えた功績をたたえ、何らかの役職を用意する可能性は高い。
退任の意向変わらず
来季から体制を一新し、立て直しを図る。球団内にも新監督候補はいるが、外部からの招へいも含めて、幅広い視野で選定を進めていくことから、監督人事はシーズン終了後の11月までずれ込みそうだ。
残りは11試合。1つも無駄にはできない。来季の反攻に向けて、選手の成長を促さなければいけない。栗山監督は最後まで戦い続ける。「もっともっと、みんながうまくならないといけない。それをこの悔しいまま終わらせてしまってはいけない」。下を向いている暇はない。きょう16日から、2022年への戦いが始まる。