札幌5発快勝 ミシャサッカー成熟 過去最多12試合終了時点で総得点25点
■J1第12節 札幌5-1FC東京(6日、札幌ドーム)
圧巻のゴールラッシュで、ゴールデンウイーク3連戦を締めくくった。北海道コンサドーレ札幌は6日、ホームで9位のFC東京と対戦し5-1で大勝した。前半8分、MF浅野雄也(26)が先制ゴール。同28分にFW菅大輝(24)、同38分にMF金子拓郎(25)がPKで決め、前半を折り返す。後半に入っても攻撃の手を緩めず、5分に菅がこの日2点目、同28分に1点を返されるが、同アディショナルタイム3分に金子がダメ押しゴールをネットに突き刺した。札幌は通算成績を4勝4分4敗とし、勝ち点を16に伸ばして暫定8位に浮上した。次節は13日にアウェーで湘南と対戦する。
観衆今季最多1万9080人
〝ディス・イズ・札幌〟。そう形容したくなるような超攻撃的サッカーを、ゴールデンウイーク終盤の札幌ドームに詰めかけた今季最多1万9080人の観衆に見せつけた。
ゴールラッシュの口火を切ったのは、現在チーム内得点ランキング首位を快走する浅野だ。前半8分、FW小柏剛(24)からのパスに反応すると、右足での見事なファーストタッチで相手DFラインの裏へ抜け出し、GKとの1対1の場面で冷静に左足でゴール右隅に流し込んだ。広島在籍時の2021年にマークしたキャリアハイに早くも並ぶ今季6得点目。「サッカーをやっている子供たちに『ファーストタッチとはああやってやるんだよ』って」とおどけながら決め手となったプレーを誇った。「自分がゴールを取って、チームを引っ張っていくという気持ちがあったので、1点目を取れてうれしかった」と、札幌のエースとしての自覚が芽生えつつあるようだ。
前半3点リードも攻撃緩めず
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
次に続いたのは菅だ。前半28分、オフサイドギリギリのタイミングで相手DFラインを抜け出した小柏が、敵陣右サイドの深い位置でボールを持つと、中央へ長いマイナスのクロスを送る。そのボールに反応した菅が左足ダイレクトでゴールへ蹴り込んだ。「その前に右足で置きにいったシュートを外してしまっていたので、後悔の無いようにしっかり振り抜こうという気持ちで行って、ゴールすることができました」と〝菅キャノン〟炸裂の場面を振り返る。
ゴール後には逆サイドの自軍ベンチまで駆けていき、MF小林祐希(31)に頭を差し出してペチペチ叩かれた。以前の小林のゴール時に頭をペチペチし過ぎたことから、菅のゴール時には小林からの仕返しが予告されており、ついに〝約束〟を果たすことができた。「サポーターもあれを待っていたと思うので、皆さんの前でやることができて良かったです」とはにかんだ。
菅、金子がともに2ゴール
菅は後半5分にもMF駒井善成(30)からのパスをフリーで受けると、利き足とは逆の右足でゴールを決め、プロ入り後初となる1試合2得点をマークした。「今シーズン最初の方は外しまくってましたし、僕が決めたら勝てない試合が多かったけど、2点決めて、しかもチームも勝つことができたので良かったです」と喜んだ。
そして菅と共に2得点をマークしたのが金子。前半38分、DF福森晃斗(30)がペナルティーエリア内で倒されて得たPK。「福さん(福森)は蹴らなくていいような感じだったので、蹴りたいと思って。(浅野)雄也くんと話したら『蹴れば』って言ってくれたので」とキッカーを自ら志願。方向は読まれたもののGKの指先が届かないゴール右隅に蹴り込んだ。
とどめは後半アディショナルタイム3分。相手DFライン裏に抜け出した金子がペナルティーエリア内に進入。「(馬場)晴也が裏にボールを送ってくれて。ゴール前まで運んで右足で撃とうかなと思ったんですけど、DFが飛び込んでくるなと思って」と判断し、見事な切り返し。対応した相手DFが止まりきれず転倒する中、ゴール右45度の〝金子ゾーン〟で左足を振り抜いてチーム5点目をゲット。「切り返して得意な方(左足)で撃とうと思って。きっちりとコースを狙って決め切れて良かった」と喜んだ。
この日の大量5ゴールで、今季の札幌の総得点は12試合終了時点で25点。これはミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)就任後の6年間で、12試合終了時点での最多記録だった18年、20年の18得点をはるかにしのぐ驚異のペースだ。指揮官が「私たちはモダンな、そして危険な、そして非常に攻撃的な戦いを見せられているのではないか」と誇るとおり、毎試合スリリングでスペクタクルなサッカーを披露し続けている札幌が、破壊力を武器に上位戦線へと殴り込みをかける。