札幌FWトゥチッチ 愛妻が帰国前にリーグ戦でゴール決めてみせる
■5月10日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
今季ルヴァン杯2ゴールも リーグ戦では1年半遠ざかる
北海道コンサドーレ札幌は13日のアウェー湘南戦(レモンS)に向けて、パス練習や攻撃練習などを行って調整した。札幌加入3年目のシーズンを迎えているFWミラン・トゥチッチ(26)。今季はここまでルヴァン杯で2得点をマークし、リーグ戦でも惜しいシュートシーンを見せている。2021年11月27日柏戦(札幌ドーム、3〇1)以来となるリーグ戦でのゴール、そしてチームの勝利を目指して敵地での戦いに臨む。
「良いポジションに行って チャンスがあったことをポジティブに考えたい」
4月23日の福岡戦(札幌ドーム、2△2)では、後半アディショナルタイム2分にペナルティーエリア内の混戦の中から左足を振り抜いた。そして今月6日の前節・FC東京戦(札幌ドーム、5〇1)でも後半アディショナルタイム1分にMF荒野拓馬(30)からのヒールパスを受けてミドルシュート。しかし、いずれもわずかにゴールマウスを捉えられず。それでも最近のリーグ戦では、10分に満たない出場時間の中で観衆を沸かせるプレーを見せている。「ボールのバウンドに合わせられなかったけど、良いポジションに行ってチャンスがあったことをポジティブに考えたい」と手応えをつかんでいる。
味方の後に自分が触っていても 自分のゴールであることを主張しない人柄
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「ただ、私が点を取らなくてもチームが勝てば一番いい。結果が一番です」とフォアザチームの精神を強く持つ。FC東京戦ではチーム5点目となるMF金子拓郎(25)のゴールが決まった瞬間に両手を高く上げてガッツポーズ。大喜びする姿を見せていた。「チームのパフォーマンスが非常に良かったし、(金子)拓郎がゴールを決めたので、喜ぶべきだと思いました。チームが良ければうれしい」。3月25日のルヴァン杯磐田戦(ヤマハ、3〇2)では、終了間際の決勝ゴールが決まった際、自身が最後に触ったにもかかわらず、その前にボールに触れたFW出間思努(17)が喜ぶ姿を見て気を使い、自分のゴールであることを主張しなかった。そんなエピソードからもトゥチッチの人柄がにじみ出る。
今月で帰国する愛妻と2日間のオフで登別伊達時代村へデート 英気を養う
FC東京戦後の2日間のオフには、妻と一緒に登別伊達時代村を訪れた。「北海道はすばらしいところなので、いろいろなところに行ってみたいと思っていて。あとは妻が5月中に国へ帰るので、しばらく会えないからデートのような時間を過ごそうと思って、2人で行ってきました。非常に楽しかった」と充実のオフを過ごし、次なる戦いへの英気を養った。
昨季はルヴァン杯でゴールを挙げたもののリーグ戦では無得点。リーグ戦でのゴールからは約1年半遠ざかっているが、最近のプレーぶりにはゴールの予感が色濃く漂う。「もちろんストライカーとしてゴールを決めたい、点を取りたいという気持ちを熱く持っています。ただ、チームのパフォーマンスが一番なので、私がチームの力になって、チームの勝利に繋がったらうれしい。湘南に行って、勝ち点3を持ち帰るのが私たちの目標です」。何よりもチームのことを第一に考える心優しき背番号32が、勝利に貢献するため、そして帰国を控える妻に捧げるため、敵地で今季初ゴールを決めてみせる。