高校野球
2023/05/13 18:30

岩見沢東のエース丸谷が〝マダックス〟達成 9回81球初完封で春の全道一番乗り

81球完封勝利をあげた、岩東の丸谷投手(撮影・西川薫)

■春季全道高校野球空知支部(13日、岩見沢市営)
▽準決勝 岩見沢東4-0滝川

 岩見沢東のエース右腕・丸谷陽彩(ひいろ、3年)が9回81球で公式戦初の完封勝利。100球未満で完封を達成する通称〝マダックス〟を成し遂げた。空知支部の代表は1枠で、第1試合で選抜甲子園枠で全道出場が決まっているクラークが準決勝に勝利したため、創部100周年の節目に全道一番乗りを決めた。14日の支部決勝で、昨夏の北北海道大会2回戦で敗れたクラークにリベンジを挑む。

スタンドから「ひーろー」のかけ声

 打席で応援スタンドから聞こえる「ひーろー」のかけ声そのまま、エースが9年ぶりの春の円山球場行きをけん引した。選抜出場校との支部決勝へ「チームの目標として春大会の支部優勝っていうのがあるので、個人だけじゃなくてみんなの力で優勝できれば」と力を込めた。

三振1、安打3、3四球でも決定打与えず

 許した走者は、安打3本、3四球と2失策の計8人。一回から何度も得点圏に走者を背負ったが「相手チームが早い段階から打ってくれたんで、そこがいい結果につながった。守備もいつもいいところにいてくれるので安心した」。27個のアウトのうち、チェンジアップで奪った空振り三振以外は、カーブとスライダーをうまく使い分け最後まで決定打を与えなかった。

板橋監督のウエート指導で体大きく

 岩見沢南小6年時、北海道選抜に選ばれた。岩見沢光陵中では目立った成績を残していなかったが、岩見沢東では1年秋からベンチ入り。「野球はなんとなくでいいかなと思ってたけど、思ったより高校に入って成長した」。ウエートに力を入れる同校OBの板橋宏季監督(41)の指導の下、一冬で約3キロ増。「春になって外に出てから思ったより自分の体が動くなって成長を感じました」。昨秋の新チームからエースナンバーを任されている。

 この春、さらに69キロに成長。身長179センチとまだ細身だが「ちゃんと上半身も下半身も強化して、軽く投げてもストレートの伸びは前より感じるようになりました」。持ち味の打たせて取る投球に磨きがかかった。板橋監督も「いつも慎重になりすぎて、フォアボールで崩れたりとかあるけど『大丈夫だなって感じた時は、どんどん行け』って言っていた。頑張ってやってくれた」と、最後までエースにマウンドを託した。

創部100周年の目標は、夏の北北海道大会4強

 節目の年に結果を残す。5月4日、同校グラウンドでOBが監督を務める遠軽高校と記念試合を実施。関係者ら約200人が集まるなど、盛り上がりを見せている。「ちょっとみんなも重たいなとは感じてるけど、先輩方から受け継いてきたものを発揮できるように頑張ってます」と苦笑いする。さらに同校は25年度から岩見沢西と統合される。「そんなに特別な思いっていうのはないけど、岩東であるうちに記録は塗り替えたい」。同校は春秋は全道4強入りしたことはあるが、北大会は昨年の8強が最高タイ。「ベスト4まで行ってないので最終目標をそこに設定してます」。打線も11安打と好調。まずはクラークとの代表決定戦で自分たちの現在地を確かめ、夏に向かう試金石とする。

9年ぶりに春の全道出場を決め、三塁側応援スタンドに駆け出す岩東ナイン

 

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